【安田記念】サリオス 復活の時!課題の心肺機能も心配なし

2021年5月31日 05:30

心肺機能の心配がなくなり、反撃の時を待つサリオス

 春の東京G15連戦はいよいよオーラス。締めくくるのは最強マイラー決定戦「第71回安田記念」。G16勝目を狙うグランアレグリア、古馬に挑む3歳シュネルマイスターなど話題は尽きないが、忘れてはいけないのがサリオスだ。無敗で朝日杯FSを制し、昨年のクラシックでも好走した素質馬が、ベストのマイル戦に再起を懸けて挑む。

 4歳初戦の大阪杯で5着に敗れたサリオス。敗因は距離の壁ではなく天気と馬場。降り続く雨の影響で、コントレイルもグランアレグリアも苦しんだ道悪の特殊な馬場に、本来の力を発揮することなく沈んだ。

 反撃を期す一戦。前走後は放牧に出され、8日に美浦に帰厩。「精神面ではリフレッシュできた」。管理する堀師は休養の効果を示す一方で、包み隠さず課題も挙げた。「体が増えていない割には、心肺機能は落ちていた。ウイークポイントである右トモ(後肢)のこなしもいいとは言えない。カイバも少し残して、この馬らしさがない」

 ただ、課題が明確な分、調教のテーマもはっきりしている。「今回はトモをケアしながら心肺機能をつくっていくのがポイント。暑さの影響を受けやすい馬なので、今の涼しい気候と気持ちがフレッシュな点で調整はしやすい」。1週前追いは美浦Wコースで5F67秒3~1F12秒0をマークし、鋭い伸びで併走馬に1馬身先着。「(本番と同じ)左回りで手前(軸脚)をスムーズに替えていた。息の入りも良く、心肺機能の心配はなくなった」と順調に良化している。
 鞍上の松山は今年、堀厩舎の管理馬で厩舎別最多となる5勝をマーク。ヒシイグアスを重賞連勝(中山金杯→中山記念)に導くなど、トレーナーの信頼を勝ち取った上でのG1続投だ。サリオスもここ2戦は5着に甘んじているが、昨秋の毎日王冠までは6戦オール連対を果たした素質馬。このままでは終われない。「トモのケアに努めながら、レースまでにはいい状態に持っていきたい。あとは良馬場で走らせたい」と堀師。天に祈りながら、反撃の時を静かに待つ。 (美浦取材班)

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2021年5月31日のニュース