【エプソムC】アルジャンナ 重賞初Vへ必勝仕上げ、新馬戦白星の弟に兄の威厳見せる

2021年6月10日 05:30

<エプソムC追い切り>坂路単走で好仕上がりをアピールしたアルジャンナ=手前(撮影・亀井 直樹)

 「第38回エプソムC」(13日、東京)の追い切りが9日行われ、このレースと相性のいい池江泰寿厩舎のアルジャンナ(牡4)が軽快に動いた。

 兄の威厳を見せるか。先週の東京で鮮烈デビューVを飾ったコマンドラインはアルジャンナの全弟。単勝1・1倍に応え、府中のマイル戦を問答無用に突き抜けた。今回の鞍上は同じルメール。マスコミの話題はどうしても血統面に及ぶが、池江師は一笑に付す。

 「それは人間が勝手に思っていること。本人(馬)は知らないから。オレはディープの子供だからとか、思っていないでしょ?」

 弟に刺激され…はファンの空想に違いない。それでも非凡な血統であることは確か。アルジャンナ自身、デビュー2戦目の東スポ杯2歳Sでコントレイルの2着。きさらぎ賞3着から毎日杯2着とクラシック戦線で首位争いを演じた。

 必勝を期すエプソムCの追い切りは坂路。助手騎乗で軽めを予定していたが、単走ながら4F51秒3~1F12秒6の速い時計が自然に出た。素晴らしい前進気勢。勝利を渇望する気持ちの表れか。動きを確認した池江師は満足げだ。

 「もう結構、出来ているけど、今朝は馬なりで気分良く走らせて、いい時計だった。動きも良かったね」

 2着に入った前走マイラーズCよりワンランク上。先週の時点で坂路自己ベストの4F51秒2で動いているのだ。昔風に言えば、譲らない必勝仕上げ。あとは自分との闘いになる。

 「元々、前進気勢の強い馬。競馬でもその辺が課題になるでしょう。距離が延びるのはいい。うまく脚をためて、この馬らしい末脚を生かせれば」

 府中の芝1800メートルは東スポ杯2歳Sでコントレイルに5馬身ぶっちぎられたが2着は確保。コース相性が悪いはずがない。

 「相手はのちの3冠馬だからね。この馬もいい時計で走ったように2歳時からいいモノを持っていたし、ようやく復調してきた」

 池江厩舎は過去このレース2勝、18年から3年連続で馬券に絡んでいる好相性のG3だ。骨折休養を挟み、復帰3戦目のここで初タイトル奪取なら壮大な夢が広がる。飛躍を期す兄が弟に続き、存在感を示す。

 《弟コマンドラインは新馬戦快勝》アルジャンナの祖母イヤーリーリポートはデラウェアオークス、ブラックアイドスーザンS、サンタイネスSと米G2を3勝。母コンドコマンドは14年にダート7Fの2歳牝馬限定G1スピナウェイSを13馬身差で圧勝している。その後、ダート9FのG2を2勝して15年秋に引退、繁殖入り。アルジャンナが初子になる。仕上がり早の母系に父ディープインパクトで成長力を強化。2歳下の全弟コマンドラインが先週、東京マイルで新馬戦を快勝した。今週は兄の番だ。

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