【宝塚記念】カレンブーケドール 気合満点で坂路駆け上がり悲願G1Vへ闘志
2021年6月24日 05:30 カレンブーケドールは美浦坂路で躍動。こちらは悲願のG1タイトルを狙う。
牝馬には過酷な天皇賞3200メートルを走りきった激闘の疲れは全くなく気力旺盛。気合を前面に押し出して坂路を駆け上がるカレンブーケドールを、国枝師は「戦闘モードに入っている」と満足げに評した。
助手を背に坂路単走。はるか前方に僚馬を見て、リズム重視の調教。4F53秒1(ラスト1F12秒7)は同馬の最終追いとしては最も遅いタイム、初めての単走追いとあって地味に映るが、前週に戸崎が騎乗して気合乗り抜群に4F51秒8のハイラップを刻んでいる。「先週しっかりやったので“様子を見ながら乗ってこい”という指示。楽に駆け上がってきたね」と師。この中間も在厩で調整を進め、坂路調教はこれが計13本目。入念な乗り込みで寸分の狂いなく仕上がった。
昨年の安田記念(アーモンドアイ2着)以来、管理馬が出走したG1は12戦連続で掲示板内を確保している名門・国枝厩舎。最強牝馬がターフを去り、今やG12着3回のブーケドールが大将格だ。重賞未勝利ながらファン投票では堂々の6位、7万2267票を集めた。
「歯がゆいレースが続いているから頑張れよ、という応援の声だと思う。この馬でG1を獲りたい」。厩舎の悲願は、ファンの悲願でもある。
陣営が上半期の最大目標としてきたグランプリ。責任重大な手綱を任された戸崎は「どんなコース、展開でも走るのがこの馬の強み。ただ、前走のような3000メートル以上よりは2200メートルの方がこの馬には向くと思う。力は証明済みなので、あとは1着でゴールを駆け抜けるだけ。その手助けを僕がしたい。結果を出したい」と心を燃やす。
7度目のG1挑戦に立ちはだかるは、同期の宿敵クロノジェネシス、1歳下の新星レイパパレ。相手に不足はない。国枝師は「勝つために必要なこと?やることはやったから、あとは運だけだな(笑い)」と締めくくった。希代の惜敗娘が仁川決戦で花開くと信じ、人事を尽くして天命を待っている。
【重賞初Vなら35年ぶり快挙】宝塚記念はG1未勝利馬の勝利が目立つレース。過去10年では11年アーネストリー、15年ラブリーデイ、18年ミッキーロケットの3頭がG1初制覇を飾った。カレンブーケドールはG1・2着3回、3着1回の実績がありながら一昨年の未勝利とスイートピーSの2勝のみ。宝塚記念で重賞初制覇なら86年パーシャンボーイ以来、35年ぶりの記録になる。