【中山新馬戦】エンギダルマ 血統も厩舎も縁起も良い!由来は「上毛かるた」
2021年9月7日 05:30 中山芝2000メートルの2歳新馬戦(土曜5R)に、エンギダルマ(牡=手塚、父ルーラーシップ)が出走を予定している。
ちょっと不思議なフレーズの馬名は群馬県民に親しまれる郷土かるた「上毛かるた」由来。「浅間のいたずら 鬼の押出し」「心の燈台 内村鑑三」――。その読み札から名付けられて活躍したアサマノイタズラ、ココロノトウダイと同じく、エンギダルマも星野壽市オーナーの所有馬だ。「縁起だるまの 少林山」にちなんでいる。血統は超一流。同オーナーに初のG1タイトルをもたらした13年桜花賞馬アユサンの4番子にして長男だ。
「いい馬ですよ。調教は動くし気性も凄くいい。ウチの厩舎の走る馬と併せても見劣りしません」。母も管理した名伯楽、手塚師が高評価の逸材。8月上旬から美浦トレセンで入念に乗り込まれ、1日の1週前追いではWコースで5F68秒5~1F11秒8を計時した。「ジョッキーではなく助手が騎乗してもしっかり動けていました。腰に甘いところがあるけど、馬は良くなっています」と上々の仕上がりで初戦を迎える。
指揮官が「ちょうどいい感じ」と話す鹿毛の馬体は約490キロ。アユサンも494キロで新馬戦を快勝した。先週の土曜新潟12Rで半姉アップストリーム(父キングカメハメハ)が2勝目を挙げており血の活力はあるものの、母の産駒はまだ重賞で活躍できていない。「今までのアユサンの子供とは少し違うところがあるので楽しみ」と厩舎に初のクラシックタイトルをもたらした孝行娘の長男への期待は大きい。鞍上は横山武を予定。「中山は合っていそうだし、(開幕週の)時計勝負も大丈夫だと思います」。
17年デビューのライトカラカゼ(「雷と空風 義理人情」)から、一世代1頭で始まった星野オーナーの「上毛かるた」馬名シリーズ。今春、アサマノイタズラが皐月賞出走を果たした際には“地元”群馬も沸いたという。2年連続のクラシック参戦の夢を託すにふさわしい良血馬。初陣が待ち遠しい。
▽上毛かるた 戦後の混乱期、子供たちに群馬県の素晴らしさを再認識してもらいたいと地元の有名人物、地理、名物をかるたにして1947年(昭22)に発売したもの。「縁起だるまの 少林山」の読み札は当地の名物を読んだ。群馬県高崎市の少林山達磨寺は縁起だるま(高崎だるま)発祥の寺として知られる。