【セントウルS】燃える!カレンモエ 初重賞へサマースプリントシリーズ逆転Vへ
2021年9月7日 05:30 楽しみな秋競馬が始まる。中京開幕を飾るのはサマースプリントシリーズ最終戦「第35回セントウルS」(12日)。ロードカナロア、カレンチャンのスプリントG1馬を父母に持つ良血カレンモエ(牝5=安田隆)が悲願の重賞初制覇を狙う。同シリーズの逆転優勝も懸かる一戦。厩舎ゆかりの血統が重賞で2着続きの惜敗にピリオドを打ち、大舞台へ羽ばたくか。
爽やかな秋晴れになった月曜朝の栗東トレセン。安田隆師は厩舎で管理馬の様子をチェックしていた。ゆかりの血統カレンモエは秋競馬開幕週に悲願の重賞タイトルを狙う。昨秋のオープン入り後は重賞で3戦連続2着。指揮官は「惜敗続きで歯がゆいですね。そこまで来ているんだけど」と悔しそうに口を開いた。
父ロードカナロア、母カレンチャン。ともに師が手掛け、スプリントG1を制した夢のカップリングだ。「硬さがあって、どちらかといえばお母さん似かな」と目を細めた。「モエちゃんの場合はデビューが遅かったし競馬を詰めるとガチガチになるところもある。リフレッシュしながら大事に使ってきた」と振り返る。
サマースプリントシリーズ初戦の函館スプリントS(2着)を使った後も間隔を空け、シリーズ最終戦のここを目標に乗り込んできた。1週前は坂路で4F49秒7~1F11秒6の好時計。数々のG1馬を育て上げた師も「49秒台でしまいが11秒台というのはなかなか見たことがない」と驚きを隠せない。「昨年の今ごろに3勝クラスを勝ったし季節的にもいいのかも」と状態の良さをアピールする。
安田隆厩舎にとっては昨年のダノンスマッシュに続く当レース連覇も懸かる。さらに勝てば同シリーズで17ポイントとなり、現在15ポイントでトップのファストフォースを逆転。「サマーチャンピオンになれる可能性もある。賞金的にもスプリンターズSは勝たないと出られなそうだからね」と意気込む。
いろんな意味で勝たなければいけない一戦。新たに松山とのコンビで悲願の重賞Vを目指す。師は「水曜の追い切りに乗ってもらうつもりです」と鞍上に期待する。松山は夏の小倉で重賞2勝を含む計21勝を挙げ、開催リーディングを獲得。絶好調の鞍上のエスコートで偉大な父母の血が目覚める。
≪厩舎ゆかり偉大な父母、このレースは未勝利≫カレンモエの父と母はともに安田隆厩舎に所属。1歳年長だったカレンチャンはスプリントG1・2勝(11年スプリンターズS、12年高松宮記念)、ロードカナロアはスプリントG1・4勝に加えて13年の安田記念も制した。父母は12年高松宮記念で初対戦。この時はカレンチャンが先着したが、その後はカナロアが3回連続先着。12年スプリンターズSはカナロア→カレンチャンのワンツーを飾った。父母がそろって出走した12年のセントウルSは2、4着に敗れており鬼門のレースで娘がリベンジVに挑む。