【セントライト記念】タイトルホルダー 驚速ラスト10秒9、確かな成長見せ万全

2021年9月17日 05:30

<セントライト記念>ウッドチップコースで追い切るタイトルホルダー(撮影・郡司 修)

 菊花賞トライアル「第75回セントライト記念」(3着まで優先出走権)の最終追い切りが16日に美浦、栗東両トレセンで行われ、2頭の重賞ウイナーが好調教を披露した。美浦では弥生賞ディープインパクト記念の覇者タイトルホルダーが、ラスト1F10秒9の驚異的な時計をマークし、万全の仕上がりで今季初戦に臨む。

 ラスト1F「10秒9」のタイムがモニターに計時されると、調教スタンドがどよめいた。3月の弥生賞ディープインパクト記念を制し、名実ともに「タイトルホルダー」となった同馬の背には、その時のパートナーだった横山武の姿があった。最終追いはWコースで単走。向正面からゆったりと入り、3角手前辺りから徐々に加速。コーナリングは意図的に外ラチ沿いの進路を選択。スムーズに直線を向くと、鞍上のゴーサインに応えて、力強い脚取りでウッドチップを蹴り上げた。

 5F68秒5~3F37秒1~1F10秒9と、驚異的なラスト1Fをマーク。7月27日からWコースの自動計測が開始され、ラスト1Fの計時が従来の手動よりも速めになったことはあるが、11秒を切るのは異例だ。1週前追いに続いて、2週連続で手綱を取った横山武は「全体の時計は出さずに、しまいだけ伸ばす感じ。そんなに時計が出ている感じはしなかった。春はまじめ過ぎて追い切りからムキになっていたけど、きょうはリラックスして運べていた」と、精神面の成長を感じ取っていた。

 皐月賞2着、ダービー6着。春クラシック2冠には手が届かなかった。栗田師は「先週負荷をかけた(W6F84秒7)のでその上積みと、走りと気持ちのバランスが安定しているかを確認してもらった。入りが遅かったのでしまいを伸ばしたが、切れるというより力強い動きでした。惜しいレースが続いているので、より結果を出しやすい中山の長距離はいいのでは」と期待を懸ける。

 父ドゥラメンテは今年8月31日に急性大腸炎のため、9歳の若さで死んだ。タイトルホルダーは現時点で同産駒唯一のJRA重賞ウイナー。セントライト記念のタイトルを上乗せして、その後はG1タイトルを――。タイトルホルダーの未来には後継種牡馬としての期待も懸かっている。

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