【スプリンターズS】タイセイビジョン 舞台適性抜群、CWで単走4F50秒5~1F12秒0
2021年9月30日 05:30 【G1ドキュメント・栗東=29日】出走できる全頭が関西馬とあって栗東は大忙し。田村は自転車で厩舎地区を走り回った。水曜付紙面「G1リベンジャーズ」で取り上げたクリノガウディーの他にも気になる穴馬はいる。序盤から先行勢が競り合い、前崩れならタイセイビジョンの出番だ。秋初戦の前走・セントウルSは出遅れた上、コーナリングもチグハグだったが、上がり3F32秒7の末脚を繰り出して7着。ゴール前の勢いは凄かった。担当する菊本助手は「前走はスタートが全て。不完全燃焼でした」と振り返る。
中山芝6Fはスタート直後から下り坂。前半は自然とラップが速くなる。直線310メートルはローカル並みの短さだが、最後に待ち構える急な上り坂をハイペースで押し切るのは厳しく、ゴール前で着順が一気に入れ替わることも多い。「初の中山だが、脚質的にコース形態はピッタリだと思う。パワーがあるので坂もこなせる」と同助手。コース適性の手応えを聞けただけでも取材をした価値があった。
最終追いは小崎(レースは三浦)を背にCWコース単走で半マイル追い。ゴール前はビシッと気合をつけて、4F50秒5~1F12秒0を刻んだ。仕掛けての反応、そして最後の伸び。叩き2走目で気配はグイッと上向いた。小崎は「落ち着きがあって乗り手に従順。しっかり首を使えていたし、動きは良かった」と好感触を口にする。五分のスタート、前崩れの展開。この二つの条件がバチッとかみ合えば、G1でも通用するポテンシャルを秘めている。