ラヴズオンリーユーV 日本馬初「ブリーダーズC」制覇の快挙 矢作師「力を見せることができた」

2021年11月7日 11:22

ラヴズオンリーユー

 矢作勢が米国競馬の祭典を“制圧”だ。米G1「ブリーダーズCフィリー&メアターフ」が6日(日本時間7日早朝)、デルマー競馬場(芝2200メートル、12頭立て)で行われ、日本から挑戦したラヴズオンリーユー(牝5=矢作)が優勝。日本調教馬では初となる「ブリーダーズC」制覇の快挙を達成した。騎乗した川田将雅(36)は海外G1初制覇。勝ちタイムは2分13秒87(良)。2着はマイシスターナット、3着はウォーライクゴッデスで地元米国勢が続いた。

 好位4番手で運んだラヴズオンリーユー。3~4角で捲って進出した地元米国の2頭が、いったんは完全に前に出たが、川田は動じず冷静の追い出しのタイミングを待った。最後は前の2頭の間を割って抜け出し、歴史的快挙を成し遂げた。同馬の海外G1制覇は香港クイーンエリザベス2世Cに続き2勝目。

 日本馬初の栄誉を手にした矢作芳人師(60)だったが、快挙はそれだけで終わらなかった。続くG1「ブリーダーズCディスタフ」(ダート1800メートル)に出走したマルシュロレーヌ(牝5、マーフィー騎乗)が後方から捲る豪快な競馬で快勝。国内では交流重賞4勝ながら、中央重賞未勝利の馬が、いきなり海外ダートG1制覇の離れ業をやってのけた。

 ▼矢作師 順調に来られるようなことはなかなかありませんし、力的にもラヴズオンリーユーは一番強いと思っていましたので、自信をもって送り出しました。道中は厳しい位置取りになってしまいましたし、レース展開も決して良いものではありませんでした。それだけに馬の強さが際立っていたと思います。ジョッキーも非常にガッツある騎乗でしたし、一緒に勝つことができてこんなに嬉しいことはありません。日本で弟子の坂井瑠星が重賞を勝って、良い勢いをつけてくれました。アメリカ最大の競馬の祭典であるブリーダーズカップで日本の競馬の力を見せることができて良かったです。

 ▼川田 なかなかきつい流れで思い通りではありませんでしたが、最善を尽くせたと思います。最後の直線も良いコースを走ってくれて、しっかりと勝ち切ってくれました。本当に嬉しいです。興奮して覚えてはいませんが、ゴール板を通過した後は思わず拳を握ってしまったかもしれません。今回の遠征にあたり、日本の関係者やファンの想いを叶えることができて嬉しく思います。関係者の皆様に感謝したいです。また、この舞台に立つことができて誇りに思います。

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2021年11月7日のニュース