【エ女王杯】アカイトリノムスメ上昇!母の雪辱そして統一女王へ軽快に末脚伸び併入

2021年11月11日 05:30

ミッキーパンチ(左)と併せて追い切るアカイトリノムスメ(撮影・郡司 修)

 母の忘れ物を取りに行く。「第46回エリザベス女王杯」(14日、阪神)で秋華賞からの連勝を狙うアカイトリノムスメが10日、美浦Wコースで素軽い走りを披露。史上初のJRA牝馬G1完全制覇が懸かる国枝栄師(66)、G1・10勝を目指す鞍上・戸崎圭太(41)が万全を確認した。3冠馬の母アパパネが2度敗れたレースで娘が大きく羽ばたく。 

 美浦に完成した新スタンドで行われた第1回目の会見。登場したのはアカイトリノムスメの国枝師だ。ディープインパクト&アパパネの牡牝3冠馬を両親に持つ日本競馬の結晶。“こけら落とし”にふさわしい会見で、師は「光栄ですね。こういう素晴らしい施設でコメントできるのはうれしい。アパパネで届かなかったG1(エリザベス女王杯は3着2度)を獲りたいと思う」と語った。

 最終追いはミッキーパンチ(4歳1勝クラス)とWコースへ。道中はリラックスし、全く無理のない走り。戸崎も最後まで馬なりに任せる。それでも末脚はしっかりと伸ばし、5F67秒4~1F11秒9で内から併入した。戸崎は「力強さがあった。とても良い状態ですね」と手放しで称賛。国枝師は「関西に行くから余裕残しで。落ち着いているし順調に調整できているよ」と笑顔を浮かべた。

 早くから完成度の高かった母は09年阪神JF、10年牝馬3冠を勝利。一方、アカイトリノムスメは前走・秋華賞で待望のG1初勝利を手に。成長曲線は緩やかだが、それだけに残る伸びしろは母以上か。戸崎は「前走から間隔が詰まっているけど馬が変わってきているんです。体に幅が出ている感じ。カイバをしっかり食べているようです」と驚きの口ぶり。その成長力で母が届かなかったタイトルを目指す。

 アパパネ、アーモンドアイと希代の名牝を手がけてきた国枝師。いつしか“牝馬の国枝”と言われるようになったが、本人は「それじゃ牡馬で勝てないみたいじゃないか」と苦笑い。それでも、アパパネの母ソルティビッド(同厩舎で3勝)から脈々とつながった血統については「3代続けてやらせてもらって、G1にも挑めるのはうれしいことだよ」と目を細める。勝てば、調教師として史上初のJRA牝馬限定G1完全制覇。目に入れても痛くない“孫娘”と集大成の大一番に挑む。

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