【マイルCS】ホウオウアマゾン 先行押し切りで一気に頂点へ
2021年11月20日 05:30 トレセンの最前線で取材する記者が気になる穴馬に迫る秋の連載企画「G1リベンジャーズ」土曜付は決断の日。枠順が決まった「第38回マイルCS」。栗東トレセンで取材を続けた寺下厚司記者はホウオウアマゾンに◎だ。
昨年の朝日杯FS。G1馬になれる逸材と信じて、◎ホウオウアマゾンから勝負した。結果は9着。当時について、担当の池田厩務員は「腰を痛めて、戻ってきてからも4、5日動けなかった」と振り返る。決して力負けではない。同じ舞台でリベンジする。
1年前のデイリー杯2歳Sは1分32秒4の好時計で2着。その翌週に行われたマイルCSを制したグランアレグリアの勝ち時計より0秒4遅いだけだった(5着サリオスとは同タイム)。2歳の時点で古馬G1レベルのパフォーマンスを発揮。この1年間での成長力を加味すれば、一気にマイル界の頂点を狙える。
秋初戦のスワンSは逃げて3着。差し馬が上位を占める中、この馬だけが前々から粘った。コンビ継続の坂井は「いい内容だった。距離が1600メートルに延びるのはいいし、状態自体も凄くいいと思う」と力を込める。過去のG12戦(ともに9着)は前哨戦から着順を落としたが「調教の感じからは使って良くなっていると思う」と上積みを強調した。
先行馬にとっては絶好の最内1番をゲット。阪神外回りの芝マイル戦はフェアなコース設定のイメージだが、内枠が断然有利。昨秋以降、当舞台で行われた重賞は10レース中、1~6番の内枠勢が8レースV(同着1回)。池田厩務員も「絶好枠やな。ゲートも速くてテンのスピードもある馬。4コーナーをセーフティーリードで回ってきて、それで差されたら仕方がない」と鞍上に託す。今年の宝塚記念は坂井騎乗のユニコーンライオン(7番人気)が最内枠から逃げて2着に粘った。今月絶好調の矢作厩舎が再び、仁川でアッといわせる。