【マイルCS】グランアレグリア連覇!記録づくめ有終VでG1・6勝 牝馬史上6頭目の10億円突破
2021年11月21日 15:43 秋の最強マイラー決定戦「第38回マイルCS」(G1、芝1600メートル)は21日、阪神競馬場で行われ、この一戦限りでの現役引退する1番人気グランアレグリア(牝5=藤沢和)が現役最多G1・6勝目を挙げ、史上6頭目の連覇を達成。牝馬として史上6頭目のJRA獲得賞金10億円突破やグレード制導入後初の“古馬の芝マイルG1”4勝目を挙げるなど、数々の記録を残す有終の美を飾った。来年2月に定年を迎える藤沢和雄調教師(70)も同レースで自らの歴代最多勝利記録を更新する6勝目を飾り“有終V”を決めた。なお、2着には2番人気のシュネルマイスター(牡3=手塚)、3着には5番人気のダノンザキッド(牡3=安田隆)が入線した。
勝ったグランアレグリアは父ディープインパクト、母タピッツフライ(母の父タピット)の血統。通算成績は15戦9勝。3歳春に桜花賞(G1、阪神・芝1600メートル)を制しG1初制覇。4歳の昨年には安田記念(G1、東京・芝1600メートル)、スプリンターズS(G1、中山・芝1200メートル)、マイルCS(G1、阪神・芝1600メートル)とG1・3勝を挙げJRA最優秀短距離馬に輝いた。
5歳の今年はヴィクトリアM(G1、東京・芝1600メートル)を制し、安田記念&マイルCSに続き“古馬の芝マイルG1”3競走完全制覇を達成。秋初戦となった天皇賞・秋(G1、東京・芝2000メートル)では3着に敗れたが得意のマイル戦で巻き返し有終V。“古馬の芝マイルG1”4勝目、JRA芝1600メートル重賞6勝目は、いずれもグレード制を導入した1984年以降では単独トップの勝利数となった。
さらにJRA総獲得賞金は10億7381万3000円に到達。JRA獲得賞金が10億円を超えた牝馬はウオッカ、ブエナビスタ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイ、クロノジェネシスに続き史上6頭目。歴代のJRA獲得賞金ランキングでもナリタブライアン(10億2691万6000円)らを抜き、単独13位にランクインした。(※獲得賞金は、本賞金+付加賞。ボーナスは含まない)
また、グランアレグリアは2020年高松宮記念から9戦連続でのJRA・G1に出走となり、グレード制導入後では1989年天皇賞・秋~1990年有馬記念に出走した(地)オグリキャップの最多記録に並んだ。
鞍上のC・ルメールは今年の宝塚記念(クロノジェネシス)以来となるG1制覇で、グレード制を導入した1984年以降では武豊に続く2人目のJRA・G1通算40勝到達。マイルCSは昨年グランアレグリアに続く連覇達成で通算2勝目。
これが7048戦目にして史上19人目(現役9人目)のJRA通算1500勝も達成。武豊の7875戦を上回り、史上最少騎乗回数での到達となった。
管理する藤沢和師は、今年のヴィクトリアM以来となるJRA・G1制覇で現役最多の通算34勝目。マイルCSは歴代最多20回目の出走回数で、自らの歴代最多勝利記録を更新する6勝目。同師は来年2月に定年を迎えるため、グランアレグリアとともに最後のマイルCSで“有終V”を飾った。
◆クリストフ・ルメール騎手 安心しました。本当にうれしいですね。ラストランだったので本当のグランアレグリアを見せたかった。今日は他の馬とは走り方が違いましたね。(スタートして)ちょっと後ろになったけど、グランアレグリアはスーパーホースですから気にしないで騎乗しました。直線ではいい脚を使って伸びることができた。こういう(強い)メンバーでも素晴らしいパフォーマンスでした。
▽マイルCS 84年の番組改編とグレード制導入に伴い、短・中・長距離路線が整備され、短距離界のトップを決めるレースとして84年11月に京都外回り1600メートルに創設。トップクラスのマイラーにとって春は安田記念、秋はここが最大のターゲットになった。距離適性重視の3歳が菊花賞や秋華賞ではなく、ここに照準を合わせるケースもある。創設後、阪神で開催されるのは2年連続2回目。