【チャンピオンズC】ソダシ95点 “スナと雪の女王”砂女王へ白毛の下に強固な筋肉

2021年11月30日 05:30

ソダシ

 「スナと雪の女王」が今週の日曜ロードショーで初放送!鈴木康弘元調教師(77)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。初冬のダート王決定戦「第22回チャンピオンズC」(12月5日、中京)ではダート初挑戦となる白毛のソダシをトップ指名した。達眼が白雪のような被毛の下に捉えたのは父クロフネから受け継いだ芝&砂二刀流の筋肉。雪色の砂の女王が誕生するか。

 師走を前に初雪の冬便りが各地から届いています。北海道、東北地方に続き27日には長野、金沢、岐阜・高山などでも観測。周辺の山々はうっすらと雪化粧しています。北アルプスの女王と呼ばれる燕岳(つばくろだけ)も一面、白銀の世界。山頂付近の岩肌は白粉(おしろい)を塗ったみたいに雪に覆われています。岩肌を思わせるごつごつと隆起した筋肉の塊を白い被毛で覆ったソダシのように…。

 白毛のアイドルホースが初めて挑むダート戦。その高い砂適性は岩のように大きくて強固な筋肉の塊が雄弁に語っています。10人のホースマンが白い被毛の中に隆起した分厚い肩とごつい胸前を見れば、その大半はダート馬と思うでしょう。もっと凄いのは強じんな首の筋肉。オークスのように一度行きたがると、人間の力ではとても抑え込めない首差しのパワーです。10人のホースマンがこの首を見れば、全員がダート馬と思うでしょう。

 下半身も力感にあふれています。強固な飛節(後肢)と膝(前肢)…。芝を走っている時でも砂をかき込むような膝の畳み方をする馬ですが、下半身のつくりからもそんなパワフルな走法が想像できます。NHKマイルCとジャパンCダート(現チャンピオンズC)を制した父クロフネの血統を体現する馬体。スピードや切れ味よりもパワーを感じさせる。芝のビッグレースを勝てたのは父同様、砂仕様の筋肉の厚みと芝仕様の筋肉の繊細さを兼備しているからでしょう。競馬界の大谷翔平ともいうべき二刀流ランナーです。

 ダート適性については昨年の阪神JF時から馬体診断のたびに繰り返してきました。2歳時から完成度が高かったため大きな変化こそ見られませんが、キャリアを積むごとに筋力がアップしてきた。芝の長い距離を走るには強すぎる筋肉ですが、芝の短中距離やダート戦には欠かせない筋力です。

 被毛と同系色の白覆面の間から黒い目が鋭い光を放っています。被毛に覆われた薄いピンク色の肌は運動後に浮かぶ汗のしずくが玉になって、はじけそうな張りを保っています。心身とも充実一途。初雪の冬便りの後は、雪のように輝く白毛が初ダート制覇の便りを届けてくれるかもしれません。(NHK解説者)

 ◆鈴木 康弘(すずき・やすひろ)1944年(昭19)4月19日生まれ、東京都出身の77歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70~72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許取得、東京競馬場で開業。94~04年に日本調教師会会長を務めた。JRA通算795勝、重賞はダイナフェアリー、ユキノサンライズ、ペインテドブラックなど27勝。19年春、厩舎関係者5人目となる旭日章を受章。

特集

2021年11月30日のニュース