クロノジェネシス有終Vならず…北村友騎手が引退式登場「感謝の言葉しかない」
2021年12月26日 18:01 芦毛の女王がターフを去る。26日に中山競馬場で行われた有馬記念で、グランプリ3連覇中だったクロノジェネシス(牝5=斉藤崇、父バゴ)が引退した。2番人気に推されたレースは、中団内で外エフフォーリアにフタをされる苦しい形。それでも、直線は女王らしくしぶとく伸びて3着を確保した。
クロノジェネシスは牝馬としては史上初のスピードシンボリ、グラスワンダーに続くグランプリ3連覇を達成(20年宝塚記念、21年有馬記念、21年宝塚記念)。今年の凱旋門賞も大外枠から果敢に先行し、7着と奮闘していた。G1は19年秋華賞を加えた4勝、通算17戦8勝の成績だった。これ桜花賞馬グランアレグリア、オークス馬ラヴズオンリーユーの19年牝馬3冠を分け合った3頭全てが引退した。今後は生まれ故郷の北海道ノーザンファームで繁殖入りする。
▽サンデーレーシング代表・吉田俊介氏 今日は勝てなくて残念だったけど、無事に走り終えることが出来てホッとしている部分があります。昨年から競馬場に行けない時期が多かったけど、昨年の宝塚記念の強い勝ち方を見て、力の要る馬場で力を発揮できると重思い、凱旋門賞にも挑戦しました。今日は勝って有終の美を飾るというわけにはいきませんでしたが、これからは母としての仕事が待っています。お母さんと同じような凱旋門賞に挑戦できる馬が出てくることを応援してください。
▽斉藤崇師 この馬と過ごしてきた3年半はこれで終わるんだなと言う気持ちで一杯です。デビュー前から凄く良い馬だなと感じていたが、一戦ごとにどんどん良くなり、本当に素晴らしい馬だなと思っていた。1年前の有馬記念が記憶に残っている。本当にお疲れさま、北海道に戻っていいお母さんになってくださいと伝えたい。
▽北村友 (自身の落馬事故の回復具合は?)10カ所以上折れていたけど、だいぶ骨もくっついてきた。あと一カ所だけくっつくのを待って、背骨のボルトを取る手術をしてからリハビリを始めたいと言う状態です。クロノには一回またがった時から走る馬だなとシンプルに思いました。秋華賞は本当にここで勝たないと後がないと自分でも思っていたし、自分にもプレッシャーをかけた中で結果を出せてよかった。本当にこの馬の成長には驚かされることばかりで、初めて体験する馬でした。今、この場に立っているのが仮想現実というかリアルじゃない、何かフワフワとした感覚です。今までいろいろな経験をさせて頂いてありがとう、という感謝の言葉しかないです。
▽ルメール 今日はラストランで勝つことができなくて申し訳ないです。いつも通りクロノはよく頑張った。でも、無事に帰ってきたので今から牧場で素晴らしい母になれると思います。心臓が凄く大きかったスーパーホース。よく頑張ったし、いつもハイレベルで一生懸命に走った。
▽間宮助手 本当にお疲れさまでしたとしか言いようがないですね。調教でもとても乗り味のいい馬だった。今日は頑張って欲しいのもあったけど、無事に戻ってきて元気な姿が見たかったのでよかったです。
▽和田助手 今日は負けはしたけど一生懸命走ってくれて、本当に感謝の気持ちで一杯です。たくさん大事なことを教えてくれたし、たくさん夢をかなえてくれた。普段は凄く愛嬌(あいきょう)のあるかわいい子なんです。僕は結構かまれたりしましたけど、そこもかわいい子です。最初は華奢(きゃしゃ)な女の子だったけど凄く成長してくれた。本当に夢を与えてくれてありがとうと言いたいです。
▽ノーザンファーム中島ゼネラルマネジャー 3歳秋にプラス20キロで秋華賞を勝って、古馬になってもどんどん成長してくれた。この馬はサンデー(サイレンス)が4代目ということで、比較的いろいろな種牡馬を付けられると思います。どの種牡馬を付けるかは(種付け)当日の朝に決めましょうということになっています。