【フェブラリーS】ミューチャリー 23年ぶり2頭目の地方馬制覇へ万全!矢野師「完成」
2022年2月18日 05:30 船橋所属ミューチャリーは3年連続の出走。陣営は“今年こそ”の意気込みで臨む。
「もう3度目。遊びに行ってるわけにはいかんからな」
苦笑しながら話した矢野師だが、その表情とは裏腹にミューチャリーに確かな手応えを感じ取っている。
このレース最初の挑戦となった4歳時は慣れない場所に行って激しくイレ込み、レースでも落鉄するアクシデントがあって11着。2度目の昨年は道中接触する不利がありながら7着。いずれにしても結果を出せなかったが「経験不足、そしてまだ成長過程だった」と同師は分析する。
もちろん地方では重賞を勝つ能力を持っていたが、昨年の大井記念を勝利した頃から安定して力を発揮できるようになった。そして秋のJBCクラシック制覇、ついにG1ウイナーの称号を手に入れることにつながったのだ。「(父の)パイロの子は早熟な気がする」と矢野師は若い時から無理をさせず成長に合わせてレース選択してきたのが実った形だ。
現状について手綱を握る御神本が「前走の東京大賞典で久々にまたがったが、馬が前向きになってレースがしやすくなった」と言えば、矢野師は「メンタル的にも肉体的にもしっかりして完成されたと思っている」と証言した。
加えて仕上げにも抜かりはない。16日の最終追い切りは併せ馬で行い、ラスト1Fでステッキを入れられるとスッと脚を伸ばして3馬身先着した。時計的には1週前追い切りとほぼ同じだったが「仕掛けられてからの反応が全く違った。1週前は少し重いと思っていたが、それも解消されたしちょうどいい感じでレースに臨めると思う」と同師はニヤリ。「地方からしたら3回連続で(JRA・G1に)挑戦できるチャンスなんてない。何とかいい結果を出したい」と御神本も自らを鼓舞して臨戦態勢は整った。99年メイセイオペラ以来の23年ぶり2頭目の地方馬制覇へ。三度目の正直で厚い壁をぶち破るつもりだ。