【ヴィクトリアM】レシステンシア 東京芝Bコース替わりで先行力生きる!調教もマイル仕様

2022年5月11日 05:30

調教後、洗い場でリラックスするレシステンシア(撮影・亀井直樹)

 あらゆる要素から展開を多角的に分析する春のG1企画「展開王~前か後ろか」。今週は春の古馬女王を決めるヴィクトリアマイル。初回は「東京芝のBコース替わり」に注目する。芝スプリント路線が主戦場のレシステンシアは昨年6着以来のマイル参戦。調整を工夫し、マイル対策はできている。内側の傷んだ部分がカバーされたBコース開幕週で先行力を生かす。

 今週も東京芝1600メートルがG1の舞台になる。先週NHKマイルCはAコース3週目。使い込んでいるわけではないが、思ったより内ラチから2~3頭分が荒れていた。パトロールビデオをチェックすると、よく分かる。特に3コーナーから4コーナーにかけて傷みが激しく、キャリアが浅い3歳馬にはタフなコンディションだったか。まともにその“あおり”を受けたのが1番人気セリフォスだ。道中、内に押し込められ、外に出そうにも出せず。終始、馬場が荒れた内側を通り、スタミナの消耗が大きかったと推測できる。結果、外から差した3頭が上位を独占。見方によっては強さを感じる4着だった。

 その点、今週から東京芝は3メートル外に仮柵を設置するBコースにチェンジ。これが展開のキモになる。Aコースを使用した東京開幕週(4月23、24日)の芝は計11鞍。4角5番手以内につけた馬が8勝を挙げた。Aコースで競馬を3週した分、まるっきり同じコンディションではないが、ここを開幕週と仮定すれば、やはりテンから前に行けるメンバーが気になる。昨年もBコース1週目は別表のように先行馬が有利な傾向だった。そこで取り上げたいのがレシステンシアだ。

 前走・高松宮記念(重馬場)は水分をたっぷり含んだタフなコンディション。ハナを切って2F目から10秒3→11秒0→11秒0のハイラップを刻んだ。後続のプレッシャーがきつく相当、厳しい展開。にもかかわらずラスト100メートルまで先頭を譲らなかった。結果は6着でも、あの0秒3差は中身が濃い。河北助手は「前走は重馬場で(テンから)出して行った分、厳しくなった。それでも、よく踏ん張ったし、力負けではない」と評価する。

 昨年ヴィクトリアマイル6着以来のマイル起用。2F延長に備え、この中間は調教をひと工夫した。普段の坂路だけでなく、週に1度はCWコースへ。長めの距離を乗ってきた。「落ち着きがあるし、リラックスして調教をやれている。久々のマイルでも対応できるよ」と感触を口にする。

 天気予報をチェックすると週末の東京は傘マークが並ぶ。降水確率は金曜が60%、土曜が80%、日曜は50%。新馬勝ちがやや重、一昨年の桜花賞2着と昨年の高松宮記念2着が重馬場だから道悪はマイナスにならない。むしろ、差し馬の末脚が鈍るようなら“恵みの雨”になる。逃げ宣言が出ているローザノワールが行くのなら2番手からでもOK。傷みが消えた内ラチ沿いで距離ロスなく立ち回り、直線あっさり抜け出すシーンがあっても驚けない。

 ▽東京芝1600メートルの特性 国内最多タイ3つのG1が施行されるチャンピオンコース。向正面奥からスタートし、最初のコーナーとなる3角までの直線が約540メートルと長く、枠順による有利不利が少ない。下りで3角に入り、4角から直線にかけては緩やかに坂を上る。コーナーでもペースが落ちず、隊列が大きく入れ替わることは少ない。最後の直線距離は525.9メートル。残り460メートルから300メートルにかけて高低差2.1メートルの坂を上れば、ラスト300メートルは平たん。季節によって傾向が変わるコース。

特集

2022年5月11日のニュース