【ヴィクトリアM】ソダシ復活V!「白毛の女王」芝マイルなら4戦4勝

2022年5月16日 05:00

<東京11R ヴィクトリアM>G1で3勝目のソダシと喜びを爆発させる吉田隼(撮影・西川祐介)

 白毛の伝説、再始動。春の女王決定戦「第17回ヴィクトリアマイル」が15日、東京競馬場で行われ、4番人気のソダシが吉田隼人(38)を背に好位から抜け出し完勝。G13勝目を挙げた。砂挑戦から戻った芝の舞台で実力を示した。これで芝マイルは4戦4勝。3つのG1タイトルも阪神JF、桜花賞、今回と芝マイルで、無類の強さを誇る。2歳、3歳、4歳の3年連続芝マイルG1勝ちはアパパネ以来の快挙となった。

 鮮やかな白がターフに映えた。残り1F、ソダシが完全に抜け出した。もう彼女しか見えない。沸き上がる大歓声を独り占め。まさに独壇場。勝利を手にした吉田隼は右手でガッツポーズして雄たけびを上げた。

 「凄く豪華なメンバーの中でどれだけやれるか。この馬に関してはプレッシャーもあったので勝ったぞ、という気持ち。夢のようだった。いい経験をさせてもらいました」

 理想的な競馬だ。ゲート入りは多少渋ったものの好スタート。促す必要もなく4番手の内へ。レシステンシアが前をつつかない2番手待機を選択したため淡々と流れるペースをじっと我慢した。直線に向きレシステンシアが外に寄ると、ソダシはスッと内。残り2Fから加速。仕掛けを遅らせたレシステンシアも、粘るローザノワールも残り1Fで抵抗を許さず捉えた。後続も寄せつけず、2馬身差の完勝。鞍上は「返し馬の一歩目から落ち着いていた。そのぶん、いつもらしさがないなと思ったがゲートに入ったらピリッとした。抜群のスタートでいいリズム。終始、脚をためられたし、追い出してからも余裕があった」と笑顔で振り返った。須貝師も「ゲートも出たし枠順も良かった。理想的でスムーズな競馬」と満足げだ。

 ここ2走はダート挑戦。フェブラリーS3着は立派だが勝てなかった。G12勝、3戦3勝だった芝マイルに戻って本領を発揮。吉田隼は「なかなかベストな距離、条件を使えなかったりした。マイルなら強いメンバー相手でもいい勝負ができる」と自信を見せる。トレーナーは「レースがしやすいんだと思う。前進気勢をより生かせるね」と芝マイル適性を分析した。

 改めてベスト舞台が分かったところで次のステージは?金子真人オーナーは「次は北海道(昨年Vの札幌記念、8月21日)を考えているようです。秋はマイルCSを目指します」とコメント。安田記念は使わず北海道へ放牧に出て、連覇の懸かる伝統のG2をステップとして春秋マイル女王に照準。須貝師は「もっと強いソダシを見せられるように厩舎一丸となって努力したい」と力を込めた。もう既に、白の女王をまた見たい。ファンをワクワクさせるツヨカワアイドル。まだまだたくさんの夢を見せてくれそうだ。

 ソダシ 父クロフネ 母ブチコ(母の父キングカメハメハ)18年3月8日生まれ 牝4歳 栗東・須貝厩舎所属 馬主・金子真人ホールディングス 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績11戦7勝(重賞6勝目) 総獲得賞金5億142万円 馬名の由来は純粋、輝き(サンスクリット)。

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