【安田記念】ごちゃつき解消でソングライン快勝だ 池添「しっかり乗る」
2022年6月4日 05:30 予想の重要ファクターである展開を、さまざまな角度から検証する春のG1企画「展開王~前か後ろか」。安田記念の結論は運命を分ける枠の並びに着目。前走不完全燃焼だった馬が多い一戦だが、不利が最も解消されるであろうソングラインの巻き返しが成るとみた。
展開の有利不利を決定づけるのは枠の並び。ジョッキーに取材していても、馬番自体より並びを意識していることがひしひしと伝わってくる。前走、その並びで評価を下げたのが(13)ソングライン、(15)セリフォスの2頭。共に前回と打って変わって外枠を引いた。
並びを見て“減点”すべきは、(1)同一脚質の馬が近くに多い場合、(2)すぐ外に先行馬がいる場合。ソングラインもセリフォスも前走は(1)に該当。実際に、道中のごちゃつきが敗因となった。今回は共に(1)は解消。しかし、セリフォスのすぐ外にはレシステンシア、サリオスが並んだ。この2頭が前に行くのをやり過ごす難易度は高い。よって印は◎ソングライン、○セリフォスの順とした。
池添は「ヴィクトリアマイル(5着)は枠の並びを見て嫌な感じがしていた。前でごちゃついているのが見えて、引いた部分があった」と痛恨のロスを振り返る。3角でつまずくアクシデントもあり、4角8番手。前残りの流れの中では絶望的な位置取りとなってしまった。馬群を縫ってグイグイ伸びたが、ソダシははるか前。それでも2着ファインルージュとタイム差なしなら力は示したと言えよう。「うまくエスコートできなかったが、よく巻き返してくれた。今度はしっかり乗りたい」
アーモンドアイ、グランアレグリアでも2着に泣いた中2週のローテーションだが、驚くことに上昇カーブを描いている。前走前は腹周りのボリューム感があり、少しスプリンター寄りの体形になったかと思ったが、今回は立ち姿、歩き姿がシャープに一変した。脚をスラッと長く見せるのは2着激走の昨春NHKマイルCと同様で、ソングラインの絶好調の証。当時とは比較にならないほど進化した後肢の筋肉から繰り出される末脚が、絶好の枠の並びの後押しも受けて爆発すること間違いなし。