【ユニコーンS】ペイシャエス 接戦制し重賞初制覇、父の日に父エスポワールシチーに初タイトル

2022年6月20日 05:25

<東京11R・ユニコーンS>重賞初制覇を飾ったペイシャエス(左から2頭目)=撮影・郡司 修

 3歳ダートG3「第27回ユニコーンS」が19日、東京競馬場で行われた。7番人気の伏兵ペイシャエスが馬群を割って差し切りV。エスポワールシチー産駒のJRA重賞初制覇。「父の日」の熱戦を制し、孝行息子が父に種牡馬としての初タイトルを贈った。

 内ラチ沿いの激しい攻防を制し、ペイシャエスが初タイトルをもぎ取った。好スタートを決め、道中は好位4番手グループを追走。「狙い通りの位置だった」と菅原明。同じ舞台の前走・青竜Sは2番手で運び、最後に脚が上がって5着。「前走でマイルは忙しいと感じたので、いつもより脚をためるよう心がけた」。前走でつかんだ感触を確実にアウトプット。理想的な運びへとつなげた。

 迎えた直線。前を行く2頭の間に生まれたスペースに、迷わず馬をねじ込んだ。「手応えが良く、あとは進路を見つけるだけという感じ。馬が強いので余裕を持って行けた」。狭いスペースをこじ開けると、最内からセキフウ、外からヴァルツァーシャルが挟み込むように襲いかかる。厳しいプレッシャーにひるまず、首+首差でしのぎ切った。「最後はよく頑張ってくれた。接戦でしたが勝ちは確信できました」。シナリオ通りの騎乗を、鞍上は満足そうな笑みで振り返った。

 小西師はケンシンコウで制した20年レパードS以来、約2年ぶりの重賞V。「前走は無理に(前へ)行った感じだったが、今回は最初から位置取りを考えていた。馬混みでも折り合いがついて、強い馬ばかりの中、最後はよく我慢した」と鞍上の好リードを称えた。ダート重賞12勝をマークした父エスポワールシチーにとっても、種牡馬としての初タイトル。「強かったお父さんの能力を、少しは譲り受けたかな」と笑った。

 次走は3歳ダートの頂点を決する交流G1ジャパンダートダービー(7月13日、大井)が候補。小西師は「1800メートルの方がいい競馬をしているので、2000メートルを試してみたい。厳しい競馬が続いたので、中間の様子を見てだが、挑戦したい気持ちはある」と前向きだ。遅咲きだった父の重賞初Vは4歳春のマーチS。その父ゴールドアリュールに贈った初タイトルが快進撃の号砲だった。ペイシャエスも軌跡を追う。「次はもっと大きいところを狙いたい。馬と一緒に自分も成長したい」と菅原明。父系三代が紡ぐストーリーは、新章へと突入する。

 ◆ペイシャエス 父エスポワールシチー 母リサプシュケ(母の父ワイルドラッシュ)牡3歳 19年3月18日生まれ 美浦・小西厩舎所属 馬主・北所直人氏 生産者・北海道様似町の高村伸一氏 戦績7戦3勝(重賞初勝利) 総獲得賞金5836万4000円 馬名は冠名+父名より。

 【ユニコーンSアラカルト】

 ☆騎手&調教師 菅原明の重賞勝利は京成杯(オニャンコポン)に続き、今年2勝目で通算3勝目。小西師は20年レパードS(ケンシンコウ)以来で通算7勝目。

 ☆種牡馬 エスポワールシチー産駒はJRA重賞に延べ9頭出走で初勝利。

 ☆関東馬 20年カフェファラオ以来の勝利で8勝目。関西馬は18勝、地方馬が1勝。

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