【中京新馬戦】ハーツコンチェルト 武井師の思い乗せ初陣、長姉ナスノシンフォニーの無念晴らす
2022年9月13日 05:30 今週末は土~月曜の3日間開催。中山、中京で計11鞍の新馬戦が組まれている。数ある選択肢の中から日曜(18日)の中京5R(芝2000メートル)に照準を合わせてきたのがハーツコンチェルト(牡=武井、父ハーツクライ)。きょうだい全てを管理してきた武井亮師(41)にとって思い入れの深い血統。期待も大きく来春の大舞台を見据えての初陣だ。
「この血統では間違いなく一番。僕が今まで携わった全ての馬の中でも、トップクラスと言っていいかもしれません」。武井師がそう断言するハーツコンチェルト。中央で勝ち上がった4頭の姉も全て師が管理。中でも長姉ナスノシンフォニーは新馬V後に、百日草特別2着、ホープフルS5着と牡馬の強豪相手に健闘。クラシックを意識したが屈腱炎を発症。大舞台には立てなかった。「この馬ならシンフォニーを超えられるかも」。姉の無念を晴らす意味でも期待は大きい。
武井師は「当歳では馬を評価しない」がポリシー。だが「この馬だけは違いました」と話す。「生まれてから1歳になるまで何度も見たが、体のバランス、立ち姿、歩き方。どれを取っても良く見えた」。期待通り育成場でも順調に成長。トレセン入厩後も、坂路とWコースを併用して乗り込まれ、シャープな動きを披露している。「6月にゲート試験を受けて、いったん放牧に出しての始動は予定通り。動きはもちろんですが、体を起こして走るフォームが凄くいい」。評価は高まる一方だ。
母ナスノシベリウスは厩舎開業前、助手として所属した和田正道厩舎で調教に携わった。「いつもビクビクしていたけど、凄くかわいい馬で大好きだった」と振り返る。その縁もあって産駒を全て管理。初子のシンフォニーは、母に似て臆病な面があったが「子を産むごとに、そういう面が解消してきた」と師は評する。唯一の心配はゲート。「遅くはないが、そこまで速くもない。そういう意味でも1角まで距離がある中京2000メートルは、デビュー戦の舞台としては適している」と話す。姉4頭で中央9勝の堅実母系ながら、これまで大舞台とは無縁。一族初のクラシック出走へ。大きな期待を背負って挑む初陣だ。