【凱旋門賞】タイトルホルダー11着 日本馬4頭 夢散 今年も高かった欧州の壁

2022年10月3日 05:24

凱旋門賞を制したアルピニスタ(左)と11着だったタイトルホルダー(左から2頭目)(撮影・小海途 良幹)

 日本馬の悲願は今年もかなわなかった。2日(日本時間同日深夜)、フランスの首都パリ近郊のパリロンシャン競馬場で欧州最高峰のG1「第101回凱旋門賞」が行われた。5歳牝馬アルピニスタが直線、追い比べを制して8連勝でG16勝目。過去最多の4頭が参戦した日本馬はタイトルホルダーが最先着の11着。ステイフーリッシュが14着、ディープボンドは18着、ドウデュースは19着に終わった。1969年に初めて日本馬スピードシンボリが挑戦してから53年、偉業は来年以降に持ち越しとなった。

 にわかに雨脚が強まる。見るからに馬場が悪くなっていたが、タイトルホルダーと鞍上の横山和は、まず自分の競馬を貫いた。スタート後すぐに先頭へ。クールモアのペースメーカー役であるブルームが押しながらつついてきたが、ひるまず引かず主導権。フォルスストレートに入る前までは手応えにも余裕があるように見えた。

 しかし、そこから欧州馬の底力を見せつけられた。直線を先頭で迎えたものの、勝ち馬アルピニスタに涼しい顔で持ったままでかわされる。持ちこたえることはできず、次々と欧州馬が横を通り過ぎていく。11着に終わった。

 「頑張ってくれましたよね。直前の雨が…。(雨で)しんどくなったと思うんですけど…」とレース後の横山和は振り返った。栗田師が「あのディープインパクトでも負けるレース。二ノ宮先生(=二ノ宮敬宇元調教師、99年2着エルコンドルパサー、10年2着ナカヤマフェスタを管理)もそこまで来ているけど手が届かなかった。とても勝つのが難しい雲の上のようなレース」とレース前に語った通り、日本馬はまたも涙をのんだ。

 菊花賞、天皇賞・春と日本の2大長距離G1を制したタイトルホルダーでも、パリロンシャンの重馬場は克服できなかった。日本のレース時とはあまりに違う走りに、レース後は栗田師も神妙な表情で言葉を紡いだ。「状態は良かったと思います。思い切って行った中で、残念だけどこれが結果です。日本の重い馬場と違うの分かっていましたが…。(今後は)別のタイプの馬を連れてくるか、全く条件の違う馬を連れてくるかしないと厳しいのかもしれない」。凱旋門賞制覇という日本競馬の宿願は、またも持ち越されることになった。

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