【京都金杯】イルーシヴパンサー復活迎春!大好き冬にG1再出発へ勢い、岩田望「縁起いい」

2023年1月6日 05:30

<京都金杯>内から抜け出し勝利するイルーシヴパンサーと馬上でガッツポーズの岩田望来騎手(撮影・亀井 直樹)

 西で東で、関東のG1候補が躍動だ!!新春を飾る名物ハンデ重賞「第61回スポニチ賞京都金杯」が5日、中京競馬場で行われた。中団を進んだ5番人気イルーシヴパンサーが内から突き抜け、昨年2月東京新聞杯以来の重賞2勝目。安田記念(8着)で1番人気に推された実力派が大好きな冬場で完全復活だ。

 初コンビとは思えない、完璧な手綱さばきでVロードに導いた。岩田望が操るイルーシヴパンサーは道中、中団から。思い描いていた位置取りより、やや後方からになった。ただ、そこで慌てない。「もう少し前で競馬をしたかったけど切り替えて。道中は落ち着いて進路を探していました」。直線に向き、スペースが空いたと見るや、それまでの控えめなアクションから一転、激しく手綱をしごき、エアロロノアとオニャンコポンの間を割り、先行馬をかわして最内へ。右ステッキで鼓舞して末脚を引き出し、昨年の東京新聞杯以来、重賞2勝目のゴールに飛び込んだ。岩田望は「内の馬場がいいと思っていました。今年最初の重賞を勝たせてもらって縁起がいいし、この勢いに乗って頑張りたい」と手綱を任された感謝を口にし、仕事を果たした充実感に浸った。

 競馬に騎乗するのは初めてでも昨夏の前走・関屋記念の最終追い切りで稽古をつけ、イメージはつかんでいた。そしてレース前にまたがり「状態は良かったです」と自信を持って臨んだ。昨年の京都金杯はエアロロノアで1番人気6着。あの悔しさを糧に努力し続け、自身の飛躍につなげた。翌月の京都牝馬Sロータスランドで自身初の重賞Vを飾り、秋のJBCレディスクラシックではヴァレーデラルナでJpn1初制覇を果たした。JRA年間100勝も達成。この1年でひと皮むけた――。そう思える、この日の騎乗だった。

 検量室前で人馬を出迎えた久保田師は「岩田君がよく乗ってくれました」と鞍上を称えた。関屋記念11着後に休養していた愛馬の復活にも触れ「ようやくこの馬のいいところを出せました。オーナーの理解もあり夏場に無理しないで、秋をパスしたのが良かったです」とうなずいた。今年からJRAの負担重量引き上げに伴い、出走馬のハンデが軒並み重くなった。自身はトップハンデタイの58キロ。ずっしりこたえても不思議ではないハンデを、あっさりはね返した。「これでまたもう一段階、上のところに挑戦できる」。昨年1番人気8着に敗れ、リベンジを期す舞台となる安田記念(6月4日、東京)までにどういうローテを組むか。連覇が懸かる東京新聞杯(2月5日、東京)、香港のチャンピオンズマイル(4月30日、シャティン)もある。「(いろいろ)選択肢があるからね」と明言しなかったが視界は明るい。縁起重賞を制し、再び軌道に乗った実力派マイラーがこの路線を盛り上げていく。

 ◆イルーシヴパンサー 父ハーツクライ 母イルーシヴキャット(母の父キングカメハメハ)18年2月15日生まれ 牡5歳 美浦・久保田厩舎所属 馬主・草間庸文氏 生産者・北海道安平町の追分ファーム 戦績12戦6勝(重賞2勝目) 総獲得賞金1億4969万8000円。馬名の由来は母名の一部+ヒョウ。

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