大久保正陽元調教師 誤嚥性肺炎で死去…87歳、3冠馬ナリタブライアンなどを育てた名伯楽

2023年1月26日 05:30

94年11月6日、菊花賞を制し、3冠馬となったナリタブライアンと大久保正陽調教師(左)

 3冠馬ナリタブライアンなどを育てた元調教師の大久保正陽(まさあき)氏が21日に亡くなった。25日、JRAが発表した。87歳だった。葬儀等は家族葬として執り行われた。現役調教師である息子の龍志師(57)は「誤嚥(ごえん)性肺炎でした。亡くなってから改めてデカかったなと思います」とコメントした。

 ファンをとりこにするヒーローを育てた。94年にナリタブライアンで牡馬3冠を達成。「シャドーロールの怪物」という異名をとった。92年にはメジロパーマーで宝塚記念と有馬記念の両グランプリを制した。きっぷのいい大逃げが見るものを引きつけた。9、15番人気でのG1勝利。「波乱を呼ぶ逃亡者」は障害帰りのG1馬としても注目を集めた。G1級レースの初勝利は76年に天才・福永洋一とのコンビがさまになった天皇賞・春のエリモジョージ。人気で大敗、支持が急落すれば圧勝する。そんな姿に「気まぐれジョージ」との呼び名が付いた。

 57年に騎手デビュー。70年に引退して、71年に調教師免許を取得した。73年に開業。G1級11勝、重賞50勝を挙げた。通算成績は7007戦597勝。龍志師は「この世界で師匠は一人、おやじだけですからね。見習い調教師(技術調教師)としてはいろいろと行きましたが、大久保(正陽)厩舎で勉強して、試験に受かって、これ(大久保厩舎)一本。在籍しているときに、(ナリタ)ブライアンみたいないい馬を間近で見させてもらったことも大きな財産になっていると思います」と話した。

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