【根岸S】レモンポップ 夢乗せる重戦車!世界注目の大器が念願初タイトルへド迫力11秒8

2023年1月27日 05:30

併せで追い切るレモンポップ(手前)(撮影・村上大輔)

 東西重賞の最終追い切りが26日に行われ、「第37回根岸S」に出走するレモンポップ(牡5=田中博)が関東馬唯一の木曜追いを敢行。9戦して連対率100%の完璧な戦績を誇る怪物が重賞初勝利に万全の態勢を整えた。

 でかい。インコースにいる併走相手キャミ(4歳1勝クラス)は隠れてほとんど見えない。巨大な筋肉を身にまとったレモンポップがウッドチップを蹴散らす姿はさながら重戦車。この日のWコースはグリップが利かず時計がかかっていたが、馬なりで楽々と5F68秒3~1F11秒8。文句なしの動きだ。

 関東馬唯一の木曜追いとなったが、これは田中博厩舎の普段通りのルーティン。指揮官は「久しぶりに先行する形での併せ馬。後ろから来られた時の反応は気持ちが入っていたし、サラッとした追い切りだったので引き揚げてからも元気いっぱいでした」と目尻を下げた。前走(武蔵野S2着)は中1週に加え、マイルへの距離延長と不安要素を抱えながらの出走。「今回は条件的に言い訳できない」と言葉は熱を帯びる。

 デビューから9戦6勝、2着3回。戦績は完璧も、「まだまだ立ち姿を見ても後躯(こうく)が勝っているし、完成の域には入っていない」というから末恐ろしい。

 若駒時代から“種牡馬にしなくてはいけない馬”と表現してきた師だからこそハードルは高い。「馬体、スピード、血統、レースでのパフォーマンスを見ても、そう(種牡馬に)なれる可能性がある。大事にしなければいけないし、上を意識しないといけない馬。成績に傷をつけるわけにはいかないと思っています」。一戦必勝。負けられない戦いがこれからも続く。

 重賞未勝利の身ながらサウジG3リヤドダートスプリントの招待(辞退)も受けた。大器の傑物には世界も注目している。「今後のためにもまずは一つタイトルを獲りたい。厩舎としてもまだ重賞を勝っていないので勝ちたい思いはあります」。オーナーは世界のゴドルフィン。米国生まれ日本育ちのド迫力ボディーにはでっかい夢が詰まっている。

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