エフフォーリア、栄光と涙の2年半にピリオド 鹿戸師「僕にとっての宝物。残念ですけど種牡馬として…」

2023年2月14日 17:28

電撃引退が決まったエフフォーリア。14日美浦鹿戸厩舎での様子(撮影・小田 哲也)

 年度代表馬の復活の夢はかなわなかった。再起を懸けた今年初戦の京都記念。新馬戦から手綱を取る横山武に積極的に2番手を奪って躍動する。皐月賞を制し、天皇賞・秋、有馬記念で先輩古馬陣をねじ伏せた3歳時の闘志は戻ったかに見えた。だが、3~4コーナー中間で突然勢いを失い、ゴール前で鞍上が下馬して無念の競走中止。レース後に心房細動の診断が下り、経過が心配されていた。

 レース翌日の13日朝に美浦で検査を行い、心電図など異常はなかった。14日に所有するキャロットファーム、生産者のノーザンファームと鹿戸師が協議した結果、これまでの功労と今後を考え、現役生活にピリオドを打つ決断に至った。14日、鹿戸師は「僕にとっての宝物。ヒーローでした。残念ですけど、彼には種牡馬としての仕事もある。関係者と話し合って引退することになりました」としんみりと切り出した。

 栄光と涙。激動の2年半の競走生活だった。3歳時の21年皐月賞で念願のG1初制覇。続く1番人気に推されたダービーはシャフリヤールと約10センチの鼻差惜敗。父エピファネイアと同じ2着だった。その無念を晴らすように天皇賞・秋では3冠馬コントレイル、女傑グランアレグリアを一蹴してG12勝目。続く有馬記念も制し、年度代表馬に輝いた。同師は「鼻差で負けたダービーは思い出に残ります。毎日眠れなくて…。あれほどプレッシャーを感じたことはなかったです。師匠(藤沢和師=グランアレグリアを管理)と同じG1で戦った天皇賞・秋も思い出です」と走馬灯のように駆け抜けた愛馬を懐かしんだ。

 4歳以降は苦難が続いたが、昨年暮れの有馬記念(5着)で復活の手応えを得ていたが、復権を懸けた京都記念が最後の雄姿になった。今後は17日に美浦で再検査を行い、問題がなければ、同日中にノーザンファーム天栄(福島)に移動。同所で1泊した後、繋養予定の社台スタリオンステーションへ旅立つ。14日夕方、厩舎で愛馬をチェックした鹿戸師は「まだ使えるぐらいに本当にいい馬。だいぶ元気になって(脚部など故障がなく)無事で良かったと思います。できれば、エフフォーリアの子供で大きいレースを獲りたい。勝てなかったダービーを勝ちたいです」と熱く語った。早ければ今年中に種付けを開始し、来春には子供が誕生する。父が、祖父エピファネイアが果たせなかったダービー、海外制覇の夢は二世に託される。

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2023年2月14日のニュース