【スプリングS】オールパルフェ進化!見違えるほどの落ち着き 開花目前ラスト1F11秒6

2023年3月16日 05:25

ウッドチップコースで追い切るオールパルフェ(撮影・郡司修)

 皐月賞トライアル「第72回スプリングS」では唯一の重賞勝ち馬オールパルフェがたくましいパフォーマンスを披露した。

 冬眠から覚めて花開く桜のように、ひと冬を越して急成長する競走馬がいる。「昨年よりずっと落ち着いています。この雰囲気なら距離が延びてもいけそうです」。オールパルフェの追い切りを終えた主戦・大野が満足顔で引き揚げてくる。「テンションだけが心配でしたが、気負って前方の馬を追いかけることもしない。これなら大丈夫」。5、6馬身先行した調教パートナーの馬上からその動きを確認した和田雄師も満足そうに言葉を継いだ。

 桜並木が外周を彩るWコース。父リアルスティール譲りの首差しのスラリとした鹿毛が徐々にペースを上げる。昨年とは見違えるほどの落ち着き。柔軟な膝を屈伸させてラスト1F11秒6を馬なりで刻んだ。「体も成長してくれました。490キロ台後半で(2月に)放牧から戻ってきて、強い調教を重ねても減ってこない。490キロ台前半でレースを迎えられそうです」と同師は続けた。

 新馬の462キロから2戦目478キロ、開業10年目の和田雄厩舎ばかりか、リアルスティールにも重賞初勝利をもたらしたデイリー杯2歳Sが482キロ、前走・朝日杯FSは484キロ。アゴっぱりが良く、食欲旺盛なのだろう。一戦ごとにボリュームを増す馬体は一段とたくましさを増した。

 「朝日杯FSはハイペースの逃げになったし、直線では強い向かい風をまともに受けた」と同師。冬眠していた阪神競馬場の桜並木を揺さぶる強風にも6着に踏ん張った。それから3カ月、ひと冬を越して急成長した競走馬が満開のシーズンを迎える。

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