【阪神大賞典】ボルドグフーシュ躍動!重賞初制覇へ坂路快走 宮本師も満足仕上げ

2023年3月16日 05:30

川田を背に坂路で追い切るボルドグフーシュ(撮影・亀井直樹)

 幾多の名勝負が生まれた伝統の長距離重賞「第71回阪神大賞典」の追い切りが15日、栗東と美浦トレセンで行われた。菊花賞、有馬記念ともに2着のボルドグフーシュが坂路で躍動感あふれる走りを見せた。実績十分の4歳馬が56キロで出走できるのも魅力。悲願の初タイトルへ、ここは負けられない。

 スプリングハズカム。まるで春の到来を喜ぶように、ボルドグフーシュが弾んだ。新コンビを組む川田が2週連続で追い切りに騎乗。坂路単走で馬なり、4F55秒4~1F12秒7を計時した。1週前追い切りでしっかり負荷をかけてあるので味つけ程度で十分。宮本師が切り出す。

 「今週は予定通り、調整程度の仕上げ。いい状態でレースを迎えられると思います。スタミナがあるので、この距離もいいですね。阪神3000メートルも問題ないと思います」

 CWコースの1週前は6F79秒9~1F11秒4の猛時計を叩き出した。河村助手は「去年と比べると、人間が追わなくても楽に時計が出る印象ですね」と進化を実感した。先週木曜の段階で馬体重は514キロ。前走・有馬記念2着時(498キロ)との比較でも増えている。「3歳のころよりおなか周りがしっかりとしてきました。以前は内臓が幼い面がありましたけど、今は食べたものが身になってくれます」と言葉を継いだ。

 大きな武器は決め手だ。実に7走連続で上がり3F最速をマーク。有馬記念も上がり最速35秒2、タフな馬場でこの数字は秀逸そのもの。「速い馬場でもタフな馬場にも対応できる。そのあたりがスクリーンヒーロー産駒の強みなんですかね。内回りは不利と言われた菊花賞であれだけこなしてくれた。同じコースを経験しているのは大きいですね」と胸を張る。

 昨秋の菊花賞は鼻差で惜敗と涙をのんだ。コースレコードの2着。十分に誇れる成績だ。あれからひと回りスケールアップして、再び同じ舞台に戻ってきた。中長距離路線を歩むこの世代は強い。イクイノックス、ドウデュースは来週ドバイで飛躍を期す。そんな同期を前に、ここでは負けていられない。自慢の末脚で、明るい未来を照らし出す。

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