【大阪杯】ヒシイグアス大器完成!悲願G1へ軽快 7歳要警戒、余力十分ラスト1F12秒5
2023年3月31日 05:30 「第67回大阪杯」の出走馬16頭が30日、確定した。唯一の木曜追いとなったヒシイグアスは、中山記念Vの疲れを感じさせない素軽い動きで好調をアピール。初のG1制覇へ万全の態勢を整えた。先週の高松宮記念でG1初勝利を挙げた団野大成(22=斉藤崇)は自厩舎キラーアビリティとのコンビ。勢いに満ちたデビュー5年目の気鋭がG1連勝に挑む。同レースの枠順は31日に発表される。
レース当週は軽め調教に徹することが多い堀厩舎。それにしても、ヒシイグアスは記者席がどよめくほど“静”の調整だった。
Wコース単走、馬場の内めを馬なりで4F53秒5~1F12秒5。軽快な動きだったとはいえ、6Fから脚を伸ばしラスト1F12秒4をマークした前走・中山記念と比べると、明らかに軽い。しかも1頭だけの木曜追い。
何かあったのかと勘ぐってしまいそうだが、森一技術調教師は事もなげに答えた。「仕上がっているときは、木曜追いがうちのオーソドックスなスタイル。予定通りにきているということです。今週は疲れが残らないように調整しました。余力十分にラストはいい伸びを見せてくれた」と自信たっぷりだ。
調整過程をさかのぼってみれば、その自信もうなずける。
2週前追い 6F81秒8~1F11秒1
1週前追い 6F82秒5~1F11秒2
※コースは美浦Wコース
2週続けて猛時計。2着に好走した昨年の宝塚記念の調整過程がこちら。
2週前追い 6F84秒7~1F11秒4
1週前追い 7F97秒2~1F10秒9
宝塚2着時と比べても、全体時計の負荷はむしろ上だ。重度の熱中症を乗り越え、8カ月ぶりの出走で快勝した中山記念から中4週。「状態を見極めながら、慎重に調整してきた。追い切り後の息遣いは前走よりいい。休養が長かったことで、昨年よりいい状態をキープできている」と森一技術調教師が上積みを実感している。
昨年の大阪杯は、3カ月半の休み明けで4着。今年は【2・2・0・0】と好成績の叩き2戦目で参戦。
「前走は着差以上の強い競馬だった。衰えはない。条件はベストです」
充実期を迎えた7歳。最高潮の出来で、いざG1初戴冠へ挑む。
《晩成型多いハーツ産駒》晩成型が多いハーツクライ産駒。キャリアを重ねて、古馬になってからG1初制覇を果たした馬も複数いる。レーティング世界No.1に輝いたジャスタウェイ(4歳、13年天皇賞・秋)、19年の年度代表馬リスグラシュー(4歳、18年エリザベス女王杯)はいずれも16戦目で初栄冠と、強さと裏腹に開花は遅かった。シュヴァルグランのG1初制覇となった17年ジャパンCは5歳の22戦目。ヒシイグアスは今回が17戦目。7歳で初G1制覇の超遅咲きで満開となるか。