アーモンドアイ、グランアレグリアに続く名牝誕生なるか

2023年4月7日 05:00

 【競馬人生劇場・平松さとし】2020年の安田記念(G1)。単勝1.3倍の圧倒的1番人気に支持されたのはアーモンドアイだった。

 そこまでの同馬は12戦9勝、2着1回、3着1回。18年には桜花賞(G1)、オークス(G1)、秋華賞(G1)の牝馬3冠に加え、ジャパンC(G1)を驚異のレコード2分20秒6で優勝。翌19年にはドバイへ遠征しドバイターフ(G1)を圧勝。秋には天皇賞・秋(G1)を勝ち、この安田記念前にはヴィクトリアマイル(G1)を楽勝。大崩れしたのは折り合いを欠いた有馬記念(G1、9着)のみで、1番人気に推されるのも当然と思えた。

 しかし、競馬は何が起こるか分からない。後方から伸びたアーモンドアイだが、その2馬身半も前でゴールを切った馬がいた。

 グランアレグリアだ。

 両方の主戦ながらこの一戦ではアーモンドアイの手綱を取っていたのがC・ルメール騎手。昨日の友に敗れてしまったわけだが、レース後、淡々と次のように語った。

 「アーモンドアイが負けるとすれば、グランアレグリアにだと思っていました」

 グランアレグリアはこの時点でもG1を勝ってはいたが、本格化したと思えたのはこの安田記念から。秋にはスプリンターズS(G1)とマイルチャンピオンシップ(G1)を、翌年にはヴィクトリアマイル(G1)を勝利すると、マイルチャンピオンシップを連覇。引退までにG1を6勝もしてみせたのだ。

 「若い時は一生懸命になり過ぎて負けることもあったけど、古馬になる頃にはすっかり折り合って、本当に強くなりました」
 ルメール騎手は笑顔でそう語っていた。

 アーモンドアイとグランアレグリア。牡馬を子供扱いして勝ちまくった2頭の牝馬はそれぞれ18年と19年の桜花賞馬。今年もその桜花賞が今週末に迫っているが、果たして将来、牡馬を相手に大立ち回りを演じられる名牝が誕生するシーンはあるのだろうか。ちなみにルメール騎手は3戦2勝のハーパー(栗東・友道康夫厩舎)に騎乗予定。注目したい。 (フリーライター)

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2023年4月7日のニュース