【天皇賞・春】(12)ブレークアップ 恵みの雨を歓迎!最終追いでも雨の中で躍動感ある走り
2023年4月28日 05:30 昨年の覇者であり、日経賞圧勝で臨戦ムードも申し分ないタイトルホルダーの1強ムードが漂う「第167回天皇賞・春」だが、週末の天候は雨予報。道悪想定でにわかに注目を集めているのが12番枠を引いたブレークアップだ。外寄りの枠だが、陣営は歓迎。やや重、重で4戦3勝の道悪巧者が急浮上だ。
G1ウイークの独特な緊張感に包まれる中、午後2時に天皇賞・春の枠順が決まった。前哨戦の阪神大賞典で0秒3差3着と見せ場をつくったブレークアップは6枠12番。吉岡師は「大外以外なら、どこでも大丈夫だと思っていたが、偶数枠を引けたし、スタートがいい馬。周りの出方を見ながら運べる」と歓迎だ。
昨秋のアルゼンチン共和国杯を制して重賞ウイナーの仲間入り。道中3番手から直線、残り300メートルで先頭に立つと、さらにギアを上げ、後続を完封した。2走前・有馬記念は不利とされる外枠(8枠15番)に加え、3コーナーでつまずくアクシデントがあり、不完全燃焼の16着。度外視できる。今年に入って以前、所属していた美浦から栗東・吉岡厩舎へ。転厩初戦の阪神大賞典は1着ジャスティンパレス(57キロ)、2着ボルドグフーシュ(56キロ)より重い重量(58キロ)を背負いながら3着に健闘。ステイヤーとしての資質を示した。「転厩後、すぐに環境になじむことができました。ポジションを取りに行っても、しっかり折り合えるし競馬が上手。距離に関しては全く問題がなかった」と振り返る。
週末の天気は大荒れ。京都競馬場は土日いずれも曇り一時雨で降水確率は土曜が90%、日曜は100%の予報となっている。道悪は避けられない状況だが全5勝のうち、やや重2勝、重馬場1勝の道悪巧者。馬場が悪くなればなるほど持ち味のしぶとさが生きる。
実績以外にも道悪適性を感じさせたのが激しい雨が降る中で行われた最終追い。たっぷり水を含んだ馬場をものともせず、躍動感ある走りで先行した僚馬ディクテオン(5歳オープン)に2馬身先着。馬なりでスイスイ駆け上がった。吉岡師は「重い馬場でも動きは良かった。(前走より)バランスが良くなっているし、一度使って確実に上向いている」と自信を持って送り出す。道悪でレースを重ねれば内が荒れる分、外寄りの枠はむしろいい方に出るか。恵みの雨、叩き2走目で前走以上のパフォーマンスを期待できる。