【オークス】圧倒的1番人気リバティアイランド 6馬身ぶっちぎり2冠
2023年5月22日 05:26 3冠牝馬クラシック第2弾「第84回オークス」が21日、東京競馬場で行われ、川田将雅(37)が騎乗する単勝1・4倍の圧倒的1番人気リバティアイランドが6馬身差の大楽勝。阪神JF、桜花賞に続きG13連勝を飾った。史上17頭目、昨年のスターズオンアースに続き2年連続で春2冠馬の誕生。秋華賞(10月15日、京都)では史上7頭目となる牝馬3冠が懸かる。
リバティアイランドのあまりの強さに府中がどよめいた。最後に少し気合を入れただけで6馬身差。過去50年では、75年テスコガビーの8馬身差に次ぐ着差だ。12年ジェンティルドンナ以来11年ぶり2勝目となった川田は「進路さえつくれれば勝てると思っていました。直線抜け出してからは、あとはどこまで走れるかな、という感じでした。やはり、かなりのポテンシャルを持った馬です」と愛馬に賛辞を贈った。
静粛なスタート。川田が追い切り会見時に出した「ゲートが開くまで声援を我慢していただければ」との要望にファンが応えてくれた。ゲートが開き、一転して大きな声援が上がり、歴史的な圧勝劇の幕が上がった。「一度使ってスイッチが入っていました。前向きにもなっていましたし、スムーズにポジションを取れました」と川田。行き脚がつかず後方からの競馬を余儀なくされた桜花賞から一変。最初の直線ですんなり中団前方の6番手を確保する。桜花賞前から調教で「我慢」を覚えさせていた効果で、800メートルの距離延長でも折り合いはばっちり。楽な手応えのまま直線を迎える。1頭、2頭、3頭…。馬なりでかわし残り300メートルでは既に2番手。ようやく川田の腕が動くと“瞬間移動”。先に抜け出していたラヴェルをあっさりかわすと、最後は上がり3F最速34秒0の脚で他馬を突き放した。
楽々2冠を達成したドゥラメンテ産駒に川田は「みなさんの期待に応えられてホッとしています。輸送の影響もありテンションが少し高かったですが、終始我慢が利いていいリズムで走れました」と振り返る。中内田師も「いい体にもなっていましたし、比較的落ち着いて走れていました。正直、距離不安はありましたけど、しっかり2400メートルでも走り切ってくれましたね」と笑みを浮かべた。
これでG13連勝。今後について、海外を含めさまざまな選択肢が考えられるが指揮官は「この馬にしか持っていない資格がある。そこを目標にしていきたいです」と史上7頭目の牝馬3冠へ向けて秋華賞出走を示唆。「どこまで良くなるんだろう、という思い。期待しかありません」。底知れぬ絶対女王。淀でもあっと驚くパフォーマンスを見せてくれるに違いない。
≪75年テスコガビーの8馬身差以来の着差≫リバティアイランドが2着ハーパーにつけた6馬身は、84年グレード制導入以降ではオークス最大着差V。同じ勝負服で牝馬3冠&G17勝を挙げたジェンティルドンナの5馬身(12年)を上回った。オークスで着差の大きかった優勝馬は=別表=の通り。戦前から戦後の混乱期にかけてが多く、全てが昭和に記録されたもの。直近では75年(昭50)テスコガビーの8馬身に次ぐ記録。近代競馬においては過去の名牝をはるかにしのぐ驚異的圧勝と言える。
リバティアイランド 父ドゥラメンテ 母ヤンキーローズ(母の父オールアメリカン)20年2月2日生まれ 牝3歳 栗東・中内田厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績5戦4勝(重賞3勝目) 総獲得賞金4億2947万2000円 馬名の由来は、米国アッパーニューヨーク湾の「自由の女神像」が建っている島