【プロキオンS】ドンフランキー594キロ逃げ切った 巨漢が記録を塗り替えた
2023年7月10日 05:30 巨漢馬がJRA記録を塗り替えた――。「第28回プロキオンS」が9日、中京競馬場で行われ、2番人気ドンフランキーが鮮やかな逃げ切りV。JRA重賞最高馬体重となる594キロで初タイトルを手にした。
宣言通りの逃げ切りVだ。巨漢馬ドンフランキーが五分のスタートからハナを奪うと直線、粘りに粘って外から迫った1番人気リメイクを首差でしのいだ。ダート重賞初挑戦でタイトル獲得。池添は「自分のスタイルを貫きました。いいスタートを切ってくれて、マイペースで進めることができました。(直線は)リメイクが来ていたが何とかしのいでくれと思いながら追っていました。厩舎が大事に使ってくれて、これからまだ強くなる。ダート重賞を勝って、思い描いている通りの成長をしてくれています」と喜びを口にした。
ファンがひかれる最大の理由は何といっても600キロ近くある大きな馬体。この日、記録した馬体重は594キロ(前走比マイナス4キロ)。19年マーチSを572キロで制したサトノティターンを上回るJRA重賞最高馬体重での勝利だ。斉藤崇師は「大きな馬だけど幸い、大きなトラブルもなく、ここまで順調に来ました。偉いです。まだ課題もあるけど少しずつ緩さが取れて良くなっている」と確かな手応えをつかんでいる。
JRA重賞49勝目となったダイワメジャー産駒は15年阪神JF、16年NHKマイルCを制したメジャーエンブレム、昨年のマイルCS覇者セリフォスなど多くの重賞勝ち馬を出しているが、意外にもダート重賞は今回が初めて。ようやくダート路線で大物が出た。指揮官は「まずは重賞と思って、やってきました。中央のG1は1600メートルからなので、今後は(距離)そこが課題になる」と先を見据える。
米国産馬の母ウィーミスフランキーは11年デルマーデビュタントS、オークリーフSと米ダートG1を2勝した名牝。良血が4歳夏を迎え、本格化を遂げた。持ち前のスピードを生かして、連勝街道を突き進む。
◇ドンフランキー 父ダイワメジャー、母ウィーミスフランキー(母の父サンリヴァー) 19年2月15日、牡4歳 栗東・斎藤崇厩舎所属 馬主・早野誠氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績12戦6勝 総獲得賞金1億1776万8000円 馬名の由来は首領+母名より。
《記録アラカルト》
☆池添 10回目の挑戦で当レース初勝利。02年ヤマカツスズラン、05年サンライズキングの2着が最高着順だった。JRA重賞は22年セントウルS(メイケイエール)以来、通算95勝目。
☆斉藤崇師 2頭目の出走で当レース初勝利。JRA重賞は福島牝馬S(ステラリア)に続く今年4勝目、通算18勝目。
☆産駒ダート重賞初V ダイワメジャー産駒のJRA重賞制覇は22年マイルCS(セリフォス)以来、通算49勝目。11年から13年連続のJRA重賞制覇を達成、同産駒にとってJRAダート重賞初勝利となった。
☆逃げ切り 18年マテラスカイ以来、5年ぶり4回目。
☆最高体重優勝 ドンフランキーの馬体重594キロは19年アルクトスの548キロを抜いて、同レース優勝馬の最高馬体重を更新した。また19年マーチSを制したサトノティターンの572キロを抜き、JRA重賞レース最高体重優勝馬となった。