【新潟記念】ノッキングポイントだ 5年ぶり3歳馬V 北村宏司は2週連続重賞制覇

2023年9月4日 05:20

<新潟11R・新潟記念>ダービー以来となるノッキングポイントが快勝(撮影・村上 大輔)

 夏の新潟を締めくくるサマー2000シリーズ最終戦「第59回新潟記念」は3日、新潟競馬場で行われ、2番人気ノッキングポイントが重賞初V。鞍上・北村宏司(43)は前週の新潟2歳S(アスコリピチェーノ)に続く2週連続重賞制覇。18年ブラストワンピース以来5年ぶりの3歳馬Vとなった。

 北村宏と木村師。ノってる2人の鮮やかな重賞初V劇。今春のダービーに堂々と進んだ3歳馬ノッキングポイントには初対戦の古馬の壁などなかった。好スタートからスッと6番手のインで運び、迎えた外回り659メートルの長い直線。慌てず、騒がず。残り1F過ぎ、満を持して先頭に躍り出ると、勝負は決した。5歳先輩の古豪ユーキャンスマイルの猛追を退け、堂々の重賞初制覇。ダービーで優勝馬タスティエーラの0秒2差5着に食い下がった力を越後のファンに披露した。

 北村宏は前週の新潟2歳Sに続く重賞V。その額には、ひと仕事を終えた後の爽やかな汗が光っていた。「元気に夏もトレーニングして、コンディションの良さや気持ちの前向きさをレースで出してくれて、うれしかったです。駐立には気をつけていたが、いいスタートを切れて好位で流れに乗って、落ち着いて進めることに徹した。新潟2000メートルは自信を持って臨める舞台と思っていた。2週連続重賞制覇?チャンスのある馬に続けて乗せてもらえて良かったです」

 鞍上が2週連続重賞Vなら、木村師は夏の新潟8勝の固め打ちで開催リーディング。7~8月全国トップタイの10勝を飾るなど記録的猛暑の夏を突っ走った。何より、昨年6月の東京新馬戦Vから熱い期待を懸けた愛馬の快走に目を細めた。この日は6キロ増でデビュー以来最高の494キロ。指揮官は「良かったと思います。返し馬も抜群だった。大きく体を使えていました」と成長を称えた。

 偉大な先輩への感謝も忘れなかった。母チェッキーノ、祖母ハッピーパスは昨年2月に定年引退した藤沢和雄元調教師の管理馬。同師は「何よりも藤沢先生、そして藤沢和厩舎のスタッフの方々、(藤沢和師の愛弟子だった)北村ジョッキーに感謝しています」と頭を下げた。

 人の和が結んだ初参戦の越後路での勝利。鞍上は「この馬のいいところは正直に前向きにいつも一生懸命、自分の走りをしてくれるところ」と称えた。木村師も次なる目標を見据えて目を輝かせた。「2000メートル?コース形態などは問わない馬ですけど、これぐらいの距離がいいかもしれません。菊花賞は正直どうでしょう…。期待が大きかった分、これから取り返していきたいと思います」。次走の明言こそ避けたが、猛暑にも打ち勝った夏の財産が収穫の秋に必ずつながるはずだ。

 ◇ノッキングポイント 父モーリス 母チェッキーノ(母の父キングカメハメハ)20年1月30日生まれ 牡3歳 美浦・木村厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績7戦3勝(重賞初勝利)総獲得賞金1億943万1000円 馬名の由来はアーチェリーで矢を弦につがえる場所。

 ≪記録アラカルト≫
 【北村宏司】新潟記念は00年ダイワテキサス以来、23年ぶり2勝目。JRA重賞は前週の新潟2歳S(アスコリピチェーノ)に続いて今年2勝目、通算36勝目。

 【木村師】新潟記念は2頭目の出走で初勝利。JRA重賞は関屋記念(アヴェラーレ)に続いて今年4勝目、通算24勝目。

 【血統】モーリス産駒は初出走初勝利。JRA重賞は大阪杯(ジャックドール)に続いて今年4勝目、通算14勝目。

 【3歳V】73年ヤマテスコ、83年アップセッター、18年ブラストワンピース以来、5年ぶり4頭目。

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