【スプリンターズS】“師弟”木原師&富田でテイエムスパーダVもう一丁

2023年9月29日 05:26

テイエムスパーダと木原一良調教師(撮影・亀井直樹)

 感動よ、再び。セントウルSは芝1200メートルの日本レコードホルダーでもあるテイエムスパーダが復活V。木原師は節目のJRA重賞10勝目となった。弟子の富田はデビュー7年目でうれしい重賞初勝利。思わずこみ上げた師匠の涙に、こちらも心を動かされた。

 2月に定年解散した五十嵐(忠男)厩舎からの転厩馬、3走目で息を吹き返した。木原師は「電話がかかってきました。お礼も言いましたし、勝てて良かったです」とホッと胸をなで下ろした。今回が休み明け4走目。夏の疲れはないか?トレーナーはかぶりを振る。「カイ食いを落とすことなく、ペロッと食べています。最終追いは輸送も考慮して、しまいはいくらか伸ばしました。重賞は勝とうと思って勝てるものでもないですし(富田と)一緒にG1へ行けるのがうれしい」と笑みがこぼれた。

 前走から手綱を任された富田も気持ちが入る。「(木原)先生が引退まで1年半。まだまだ恩返しをしていきたい。師匠の馬で臨めるのはありがたいですね。速い馬は多いですけど、引く必要はないと思います。前走とある程度、同じ形を取りたい」と目を輝かせた。前走は14番人気でV。トレーナーは直線で「ウソだろ~」と声が出たという。ここもきっぷよく逃げるのか。師弟の絆でもう一丁。たっぷりと愛が詰まった“そのまま!”の声が聞こえる。

特集

2023年9月29日のニュース