【サウジアラビアRC】ボンドガール 手塚師もメロメロ魅惑の瞬発力

2023年10月3日 05:30

6月4日、新馬戦を制したボンドガール(右)

 いよいよ来年のクラシックに直結する2歳重賞が続々スタート。秋東京の開幕初日メイン「第9回サウジアラビアRC」もその一つだ。ダノンプレミアム、グランアレグリア、サリオス、ドルチェモアと多くのG1馬を生んでいる出世レース。今年の注目は東京マイルのハイレベルな新馬戦を快勝したボンドガール(牝=手塚)だ。瞬発力が売りのダイワメジャー産駒が、華麗に初タイトルをかっさらう。

 数々の名馬を見てきた手塚師をも虜(とりこ)にする走りだった。6月、東京マイルの新馬戦。ダノンベルーガの半妹として注目を集めていたボンドガールは、比類なき末脚をいかんなく発揮。この舞台の新馬戦ではモリアーナ、カレンブーケドールなどと並ぶ、史上最速タイとなる上がり3F33秒0で悠々差し切った。

 騎乗したレーンは「新馬とは思えない。プロフェッショナル。素晴らしい瞬発力です。ポテンシャルのある馬」と能力にほれ込んだ。2~6着は既に未勝利戦を突破。中でも、3着コラソンビートはダリア賞を制し、6着キャットファイトはアスター賞をレコード勝ち。新馬戦のレベルの高さは明らかだ。

 夏の放牧を経て馬体が充実。その成長が調教にも表れている。新コンビの川田を背にした1週前追い。Wコースで僚馬ヴァーンフリート(4歳3勝クラス)を4馬身追走する形でスタートすると、直線は馬なりのままグングン加速。6F83秒5~1F11秒4をマークし手応え楽に併入した。

 手塚師は「体が大きくなったね。(川田)ジョッキーはダイワメジャー産駒らしいと言っていました。追い切りのペースだと前進気勢が旺盛な分、抑えるのが少し大変だけど動き自体は良かった」とジャッジ。続けて「状態はかなりいいですよ。先週にも競馬を使えたくらい。上積みもあります」とほおを緩めた。

 同じく6月、東京マイルの新馬戦を9馬身差で圧勝したシュトラウスも出走を予定。手塚師は「瞬発力勝負なら勝てるはず。なんとか賞金を加算して、秋に向かいたいです」と強敵撃破に自信を示す。魅惑的な瞬発力を持つダイワメジャー産駒。重賞即Vで世代主役の座を射止める。 

 ○…ボンドガールの父ダイワメジャーが今熱い。同産駒の現2歳は既に5頭(計6勝)が勝ち上がり、アスコリピチェーノ(牝=黒岩)が無傷2連勝で新潟2歳Sで重賞初V、同産駒区切りのJRA重賞50勝目となった。9月30日にはパリロンシャン3歳限定G2ショードネイ賞(芝3000メートル)でアイルランド産のダブルメジャー(セン=C・フェルラン)が父の守備範囲を超す!?長距離で仰天Vの報が届いたばかり。「母の父」としてもキミワクイーン(牝4=奥村武)が6月函館SS、モリアーナ(牝3=武藤)が9月紫苑Sで重賞初Vを飾り、今年の道営3冠馬ベルピット(牡3=角川)も活躍中だ。キングカメハメハ、ハーツクライと同期の04年クラシック世代で、種牡馬としても大ベテラン。父の勢いに乗って、ボンドガールが同期2頭目の重賞ウイナーを目指す。
 

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