【有馬記念】スタミナ派ハーパー!上がりかかる流れでしぶとさ生きる
2023年12月23日 05:25 土曜付G1企画「展開王」は大阪本社・寺下厚司(40)が登場だ。明日発走「第68回有馬記念」はメンバー唯一の3歳牝馬ハーパーに◎を打った。例年通り上がりのかかるタフな展開になれば最軽量54キロを生かした粘り強い立ち回りで押し切れるとジャッジ。参戦する騎手で最年少23歳・岩田望来のエスコートに託した。
近年、暮れのグランプリは上がりのかかる展開になりやすい。過去5年のレース上がり3Fは36秒9→37秒6→36秒6→36秒7→35秒9。勝ち馬の上がり3Fは19年リスグラシューの34秒7が最速だった。東京や京都の秋G1で問われる33秒台の瞬発力はいらない。グランプリで問われるのはタフな流れを乗り切る“しぶとい末脚”だ。
では今年の展開はどうか。昨年も逃げたタイトルホルダーがペースを握ればスローになることはない。さらに積極策をにおわせるアイアンバローズが途中からハナを奪いにいきそう。中盤でも流れは落ち着くことなく、例年通り、いやそれ以上のタフな展開が予想される。その流れで浮上するのが3歳牝馬◎ハーパーだ。
デビュー2戦目以降の上がり3Fは6戦連続で34秒台をマーク。舞台や距離を問わず、しぶとい末脚を発揮した。リバティアイランドに挑んだ牝馬3冠は4→2→3着に好走、前走のエリザベス女王杯も3着とG1でも崩れていない。大江助手は「スタミナがあって長くいい脚を使える。前走も最後までしぶとく伸びていた。もう少し距離があったら2着まで来ていたんじゃないかな」と評価する。
メンバー最軽量の54キロも買い材料。過去5年の有馬記念勝ち馬は古馬の牡馬より重量の軽い、3歳馬(3勝)か牝馬(2勝)だった。タフな流れでしぶとさを発揮するために重量差が大きなアドバンテージとなる。大江助手は「重量の恩恵もあるし、この枠(11番)なら持ち味を生かせる。一発狙っていきたい」と力を込めた。
枠の並びもいい。有力な牝馬2頭は不利な8枠に入り、今年のダービーを制した3歳タスティエーラも13番枠。ライバル勢より内の枠から立ち回りのうまさを生かせば、好位からロスのないレースができるはず。グランプリでも安定の“上がり3F34秒台”をマークできればチャンス十分。23歳・岩田望とのフレッシュな人馬のコンビが、思い切ったロングスパートで粘り込む。