【騎手 永井孝典=園田】自慢の強心臓でさらなる飛躍「リーディングトップ10入り狙う」
2024年1月1日 07:00 スポニチでは24年の辰年に昇竜の勢いで伸びそうな逸材をピックアップした。園田競馬の永井孝典(25)は若手有望株だ。
昨年は随所に好プレーでアピール。6月の園田FCスプリントでは大一番でいつも以上にゲートが重要視されるワンターン戦で、度胸のスタート。強心臓ぶりを発揮して、見事に栄冠をつかみとった。今年は若手の筆頭格として、さらなる飛躍が期待される。今年こそはリーディングトップ10入りを目指し、これまで以上に奮起が求められる。
昨年はいい感じで、勝ち鞍を増やすことができていた。現にこれまでの最高勝利数は19年の45勝だったが、これを9月15日の段階で、早々と46勝に到達。トップ10入りも視野に入り、順風満帆かに思われていたが…。ここから厳しい現実が待ち受けていた。
乗り鞍数こそ順調に増えていったが、なかなか結果に結びつかせることができなかった。9月3勝、10月3勝、11月は5勝と、これまでのペースから大幅にダウン。その間に近くにいた先輩たちから引き離された。
「いい感じで、勝ち鞍を増やせていましたが、だんだんと勝てなくなっていました。自身のリズムが悪い時もありましたが…。(下原)理さんや、(広瀬)航さんに相談もしました」
アドバイスを受け、先輩たちの底力をまざまざと見せつけられながらも下を向くことはなかった。現状を受け入れながらも、自身の目標を置いた。
「とにかく60勝はしたかった。ここを一つの区切りにしていましたし、ちょっとホッとしましたね」
苦しい中で、12月20日の第6Rで待望の勝利。あと4日を残して、クリアすることができた。自信につながることは間違いない。目の前の課題を一つ一つ突破していくことは大事。新年を迎える前に気持ちを切り替えることができた。
「23年以上の結果を出せるように頑張りたいです。4月から新人ジョッキーがデビューするので、決して甘くはないと思います。それでも、勝ち鞍を増やして、リーディングトップ10入りを狙っていきたい」
今の上位勢の壁は簡単に崩せるものではない。新人のデビュー予定もあり、レース形態もこれまでと比べて難しくなる。それは百も承知の上。だが、高い目標を掲げるからには相当な覚悟もできている。さらなる高みを目指すべく日々精進。己の技に磨きを掛けて、し烈な勝負へ身を投じる。
◇永井 孝典(ながい・たかのり)1998年(平10)7月26日生まれ、愛知県出身の25歳。17年4月18日初騎乗、同年4月27日、15戦目で初勝利を挙げた。23年6月22日の園田FCスプリントで重賞を初制覇。