【東海S】キリンジの逆襲!雨中の快走でラスト2F12秒0→11秒9 和田竜「仕上がりはいい」
2024年1月19日 05:28 「第41回東海S」(21日、京都)の出走馬が18日、確定した。明け4歳初戦を迎えるキリンジは栗東CWコースで木曜追い。雨が降る中、馬場が荒れた時間帯に単走で好伸びを見せた。ひと息入れて馬体も大きくなった。シリウスS12着からの巻き返しへ態勢OK。年長世代の壁をぶち破り、ダート界の新星へと成り上がる。年明け4勝の好調・上村厩舎はウィリアムバローズを起用。いい流れに乗って重賞Vを目指す。
栗東は雨が降る中での追い切りとなった。キリンジが姿を見せたのは午前10時前。7時開門から3時間後、馬場は使い込まれて水分を含んでいた。調教時間も終盤とあり、CWコースで体を動かしていたのは2頭だけ。静けさも漂う中で単走。しまいは気合をつけられ6F84秒6、馬場を考えればラスト2F12秒0→11秒9は値打ちもの。動きを見届けた佐々木師は時計が印字された紙を手に持ち、視線を落とした。
「序盤は1F15秒のラップでピッタリ。1頭じゃ動かないから、最後は気合を入れた。調教としては理想的。馬体もふっくらしているし、馬体重もプラスで出せると思う。前回の休み明けと比べると今回の方がはるかにいいですね。立て直して良くなっています」
1週前追い切りはテン乗りの和田竜が騎乗して感触を確かめた。鞍上は「動かせば動く馬ですからね。仕上がりはいいと思います」とOKジャッジ。前走のシリウスSは12着と大きく着を崩してしまった。古馬との初対戦、最内枠でもまれる形。砂をかぶる展開に条件も厳しかった。トレーナーは「状態はいいので、あとは古馬との力関係がどうか」と見通しを語った。
父キズナは13年ダービー馬、佐々木師が手がけたトップホースだ。産駒は年明けから好調。ここまでJRAで早くも6勝、エピファネイア産駒と並んで勝利数トップに立つ。「去年は(産駒の)ソングライン(美浦・林厩舎)がG1を獲ってくれましたからね。ここから踏ん張りどころ」。厩舎は先週、同産駒アネゴハダでV。今週も同じ岡浩二オーナーとのコンビ、キリンジで勝利を狙う。週末の雨予報も追い風だ。「馬力というよりスピードタイプ。脚抜きのいいダートの方がいいのでは」と前向きに語る。昨春は兵庫チャンピオンシップにジャパンダートダービーと連続2着。巻き返せる力は十分に持っている。明け4歳勢の代表として、力強く名乗りを上げる。
《佐々木師キズナ産駒で2年7カ月ぶり重賞Vへ》現役時代のキズナを管理していた佐々木師はキズナ産駒の調教師別勝利数で2位の清水久師に4勝差をつけ、JRA32勝でトップに立つ。昨年もJRA4勝と着実に勝ち星を重ねた。先週は中山のサンライズSでアネゴハダが勝ってオープン入り。重賞は21年にシャムロックヒルでマーメイドSを勝っている。同産駒での2年7カ月ぶり重賞タイトルを狙う。