【きさらぎ賞】高野師 ヴェロキラプトルで誕生日V!期待のスワ―ヴ産駒で48歳祝う

2024年2月2日 05:30

ヴェロキラプトルと高野師(右)

 クラシックの登竜門「第64回きさらぎ賞」は1日、出走馬が確定。今年は全頭、重賞初制覇が懸かる。レース当日、4日が誕生日の高野友和師(47)は好調スワーヴリチャード産駒ヴェロキラプトルを送り出す。先週シルクロードSをルガルで制した新コンビの西村淳也(24)が今週も巧みなリードで存在感を示す。「第74回東京新聞杯」は22年朝日杯FS覇者ドルチェモアが唯一の木曜追い。復活へ、美浦Wコースで軽快な動きを披露した。

 開業14年目の高野師はきさらぎ賞当日が48回目の誕生日。バースデーVを狙って、2勝馬ヴェロキラプトルを送り込む。デビュー2連勝で挑んだ昨年暮れのホープフルSは馬体重468キロで前走比14キロ増。1枠2番から好スタートを決めてハナを奪うも道中は終始、後続のプレッシャーが厳しく、直線に入ってズルズル後退。10着に敗れ、初黒星を喫した。高野師は「あの時点での力は出し切ったし、一流メンバーの中でよく頑張った。以前と比べて体は全体的に大きくなっていたし、馬体増は成長分です」と前を向く。

 ここ2週、追い切りは新コンビの西村淳が手綱を取った。今週は坂路単走で加速ラップを刻み、4F53秒8を馬なりで計時。自身最速タイのラスト1F11秒8を記録した。指揮官は「ジョッキー騎乗で無理をせず、馬とのリズムを取りながら運んでもらった。全体時計は予定よりも速くなったが、大きく体を使っていたし状態はいい」と納得の表情を浮かべる。

 父スワーヴリチャードは昨年、産駒が25勝し、JRA新種牡馬リーディングを獲得した。牝馬のレガレイラがホープフルSを勝ち、コラソンビートが京王杯2歳Sを2歳コースレコードでV。高野厩舎はヴェロキラプトルが唯一の同産駒だ。「他との比較は難しいが、脚さばきなど奇麗な走りをする。レースセンスと勝負根性はいいものを持っているし、優秀な種牡馬だと思います」と特徴を伝えた。

 産駒はデビュー以降、全競馬場における芝1800メートルで【9・9・6・18】と勝率21・4%、連対率42・9%、複勝率57・1%。単勝回収率は366%を誇る。ヴェラキラプトルもこの距離でデビュー2連勝を飾った。「適応力があり、逃げても控えてもレースができる。切れ味勝負のタイプではないので、時計のかかる今の馬場は合いそう」。前走はG1の壁に阻まれたがベスト距離でG3。持ち前の自在性を武器に初タイトル獲得を狙う。

 ◇高野 友和(たかの・ともかず)1976年(昭51)2月4日生まれ、福島県出身の47歳。02年に栗東トレセンに入って松田国厩舎の調教助手として経験を積み、10年に調教師免許を取得。11年に厩舎を開業し、いきなり19勝を挙げる。ショウナンパンドラ(14年秋華賞、15年ジャパンC)、レイパパレ(21年大阪杯)、スタニングローズ(22年秋華賞)、ナミュール(23年マイルCS)、ジャンタルマンタル(23年朝日杯FS)でG16勝。JRA通算3487戦368勝、うち重賞26勝。

 《西村淳勢い継続》ヴェロキラプトル騎乗の西村淳=写真=は昨年、エルトンバローズで制したラジオNIKKEI賞、毎日王冠などJRA重賞4勝を含む76勝でキャリアハイを更新した。今年デビュー7年目を迎え、勢いは継続。先月7日のフェアリーSを5番人気イフェイオンで制し、先週シルクロードSは2番人気ルガルを勝利に導いた。高野師も「勝ちに貪欲で、メンタル面を含めていいジョッキー」と信頼を寄せる。昨年以降、西村淳&高野師のタッグは【7・・6・2・19】で勝率21%、複勝率44%。

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