【アンタレスS】太宰 ミッキーヌチバナで重賞初V 8年ぶり美酒もお立ち台で笑顔なく…
2024年4月15日 05:22 阪神競馬場で14日に行われたダートG3「第29回アンタレスS」は5番人気ミッキーヌチバナが差し切り、初タイトルを手にした。鞍上の太宰啓介(44)は16年平安S以来、8年ぶりのJRA重賞V。なお、阪神はこの後スタンドリフレッシュ工事に入るため、今年最後の開催となった。
上位人気馬を蹴散らし、ミッキーヌチバナが待望の初タイトルだ。殊勲の手綱となった太宰は16年平安S以来、実に8年ぶりの重賞の美酒。だが、ヒーローインタビューに笑顔はない。表情をゆがめつつ「悲しい2日間でしたが一同力を合わせて頑張っていくので競馬を、馬を応援してください。ジョッキーに声援をお願いします」と声を絞り出した。
愛する後輩の死という悲しみを背負いながら44歳は懸命にムチを振るった。スタートを決めて中団外め。タイトに3、4コーナーを回して押し上げる。直線はハギノアレグリアスをかわし、粘るスレイマンをネジ伏せた。
「人気馬が前にいて、いい目標になった。手応えが良かったので“何とか間に合ってくれ!”と。お世話になっている先生と一緒に重賞を勝てて良かった」と太宰。管理する高橋亮師は「うまく乗ってくれた。(騎乗は)久しぶりだったが、クセも分かっているから。今週はショックなことで力も出ない感じだったが、改めて競馬っていいなと思いました」と頭を下げた。
賞金を加算、今後は平安S(5月18日、京都)を視野に調整される。決して消えない悲しみを背負いながらも競馬は続いていく。
◆ミッキーヌチバナ 父ダノンレジェンド 母ヌチバナ(母の父キングカメハメハ)18年3月13日生まれ 牡6歳 栗東・高橋亮厩舎所属 馬主・野田みづき氏 生産者・北海道安平町の追分ファーム 戦績19戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億2228万6000円 馬名の由来は冠名+母名。