【夏の自由研Q】暑熱対策による新潟競馬の“長い昼休み”の楽しみ方

2024年7月24日 04:30

新潟競馬場パドック

 今週開幕の新潟競馬で史上初の試みが実施される。夏企画「夏は自由研Q」第4弾は、暑熱対策による新潟競馬の競走時間拡大がテーマ。5Rと6Rの間に約3時間半の昼休みが設けられ、28日のG3アイビスSDは異例の7Rに施行。東京本社の高木翔平(34)が、その意図と長い昼休みの楽しみ方に迫る。


 近年、競馬開催における暑熱対策は急務。今週からスタートする新潟競馬では、気温が特に高い時間帯(午前11時30分ごろ~午後3時10分ごろ)に、従来の昼休みを拡大する形で競馬を休止する。JRA総合企画部の高田明佳さんは「13年ごろから本格的に暑熱対策に打ち込むようになり、これまでもハード、ソフトの両面で取り組んできました。今年は“競走時間帯の拡大”というソフト面で新たにトライしてみようということになりました」と説明。これまでの馬房のエアコン、装鞍所やパドックのミスト、馬体冷却用シャワーの設置というハード面に加え、運用面における大胆な改革で猛暑と戦う構えだ。

 約3時間半の昼休みを挟むため、最終12Rの発走は18時25分。6、7Rとなる準メイン、メインレースは現行同様の時間帯に行われる。このタイムスケジュールとなるのは新潟の開幕2週(7月27、28日&8月3、4日)だ。さらに気温が上がる8月中旬以降ではなく夏の始まりに合わせた意図について、高田さんは「梅雨明けでこのあたりからグッと気温が上がります。気温のピークだけでいえば8月に入った方が暑いのかもしれませんが、気温が上がり始めるやや早い時期に熱中症が出やすいという統計的なデータがあるので」と明かした。

 JRA、厩舎関係者だけでなく、当然ファンにとっても初の試み。入場料が無料となる当該2週の新潟では、場内モニターでのオリジナル番組の放映、屋根付き特設ステージでのミュージックライブなど、ファンを楽しませるさまざまなイベントが昼休み中に組まれている。中でも注目は実際にパドックに入れる「パドックウオーク」。高田さんは「予約不要で楽しんで頂けます。パドック内のミストも稼働しているので、気化熱の効果も実感して頂ければ」と力を込めた。また、新潟競馬のパドック中継風に写真や動画が撮れるインスタグラムのエフェクトも用意されているとのことなので、SNSに投稿してみては。

エフェクト1(パドック!)
https://www.instagram.com/ar/1142171960199254

 来年以降の運用は、今年の結果をさまざまな視点から検証した上で決まる見込み。「暑熱対策をはじめ、人馬の安全に配慮した夏季競馬の在り方は常に議論されています」とは高田さん。暑い季節に熱い競馬を。競馬の楽しみと安全面の両立を目指す新たな取り組みに注目したい。(高木 翔平)

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