「夢かなった」サンチアゴ日本で再び騎乗を WASJ参戦唯一の女性騎手
2024年8月30日 05:05 【競馬人生劇場・平松さとし】先週の24、25日、札幌競馬場でワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)が行われた。ご存じのように最終第4戦を勝ったJ・モレイラ騎手が総合点でトップ。世界から集まった14人の名手の中で頂点に立った。
敗れたものの満面の笑みで「夢がかなった」と語ったのは、フランスから来たD・サンチアゴ騎手だ。今回、唯一の女性騎手だが、実は彼女からはここ何年も「日本で乗りたい」と相談を受けていた。特にM・ミシェル騎手が来日を果たしてからはその思いが強くなったようで、フランスで顔を合わせるたびに「何とかして」と迫られていた。「ようやく日本で乗れました。結果を残せなかったのは残念だけど、たくさんの温かい声援を浴び、素晴らしい騎手たちと一緒に乗れて良かったです。いつか短期免許でまた戻って来たいです」
また「ファニー(面白い)」と言って笑ったのが香港代表のC・ホー騎手だ。地元香港はもちろん、どの国へ行っても“ヴィンセント”の愛称で呼ばれる彼だが、JRAでは本名の“チャクイウ・ホー”で発表されているため、スタンドからは「ホー!」「ホー!」と声援が飛ぶ。これには本人も不慣れな様子で笑みを浮かべつつ「ファニー」と言った後、続けた。「でも、何と呼ばれようとファンの熱い気持ちは伝わります。今回のWASJでは勝てなかったけど、エキストラ騎乗で2勝して、その声援に応えられたのは良かったです」
最後に、今回、準優勝に終わったのが日本代表の武豊騎手だ。これで3年連続での表彰台に登ったレジェンドは「初老ジャパンとして頑張りました」と言い、笑いを誘った。そんな55歳の名手は先週の開催を終えた時点で札幌リーディング。2位の横山武史騎手に6勝の差をつける16勝で、ほぼ独走状態となっている。27日には門別のブリーダーズGC(Jpn3)をオーサムリザルトで優勝。「最後も良い形で締めくくりたいですね」と力こぶを見せていた。札幌最終週の大ベテランに改めて注目したい。 (フリーライター)