【札幌2歳S】マジックサンズ  鼻差激闘制し重賞初制覇 佐々木興奮「よっしゃ!」

2024年9月1日 05:23

ゴール前で大外から差し切って勝った(2)マジックサンズ(撮影・千葉 茂)

 夏の北海道シリーズを締めくくるG3「第59回札幌2歳S」が31日、札幌競馬場で行われ、3番人気のマジックサンズが直線で抜け出して重賞初制覇。騎乗した佐々木大輔(20)は函館2歳S(サトノカルナバル)に続くJRA重賞2勝目。管理する須貝尚介師(58)は同レース歴代最多タイの4勝目を挙げた。

 冷静なヤングジョッキーも顔を紅潮させるほどの激闘だった。「よっしゃ!」。マジックサンズを1着馬の脱鞍所に導き入れた佐々木が声を張り上げる。離れた内でいったんは先頭に立ったアルマヴェローチェを鼻差で差し返した。「抜け出してからフワッとしたので何とか耐えてくれと…。ゴールまで勝負の行方は分かりませんでした」。調教でも感じた通り、新馬時とは一変した加速力。「トップスピードに入るまでのタイムラグがなくなりました」と振り返ったが、瞬時にトップギアが入ったことで直線入り口で先頭に立った。

 「理想的なレースだったけど、抜け出すのが早くてソラも使ったのでヒヤッとしたよ」と語るのは須貝師。伊藤雄二元調教師と並ぶ同レース最多4勝目。ソダシ(20年)、レッドリヴェール(13年)はここをステップにG1ウイナーへ、11年2着のゴールドシップは翌年、皐月&菊の2冠を制した。「マジックサンズはまだ成長段階。そういう馬たちとは比較できないけど、オーナーとも相談して来春を目指したい」と続けた。佐々木は「僕はクラシックに乗ったことがないけど、さらに上に行っても頑張れる馬だと思っています」。デビュー3年目の若き主戦ジョッキーの声が弾んだ。

 マジックサンズ 父キズナ 母コナブリュワーズ(母の父キングカメカメハ)22年3月25日生まれ 牡2歳 栗東・須貝厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産地・北海道安平町のノーザンファーム 戦績2戦2勝(重賞初制覇) 総獲得賞金3864万1000円 馬名の由来は潮の満ち引きで砂浜が消えて見える、カイルアコナの神秘のビーチ。

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