【凱旋門賞】武豊「最高のモチベーション」 初挑戦から30年初戴冠へ!「松島さんの気持ちに応えたい」

2024年10月1日 05:00

凱旋門賞に向け意気込む武豊(撮影・会津智海)

 フランス伝統の一戦「第103回凱旋門賞」が5日後に迫った。日本人騎手初勝利の期待がかかる武豊(55)はキーファーズ代表の松島正昭氏(66)が共同所有し、ジョセフ・オブライエン師(31)が管理するアルリファーと初コンビ結成。先週アイルランドに駆けつけ、相棒とコンタクトを取った。手応えをつかみ、決戦ウイークへ。自身11度目の凱旋門賞チャレンジを前に熱い胸の内を語った。

 ――アルリファー騎乗のオファーがあった時の気持ちは?
 「セレクトセール(7月8日)の時にそういう話が少し出て、凄いなと思いました」

 ――騎乗が決まってからの心境は?
 「凄いオファーを頂きました。本当にありがたい。アルリファーはここ2走(エクリプスS2着→ベルリン大賞1着)の内容がいい。メンバーもそろっていましたから。まさかジョセフ(エイダン・オブライエン師の長男)の馬に乗るとは」

 ――アルリファーは松島正昭オーナーがクールモアと共同所有。
 「松島さんの気持ちに応えたい。本当にありがたいし(凱旋門賞に対する)執念を感じます。自身で計画し、交渉までしてくださった。なかなか、そういう方はいないですよ」

 ――先週アイルランドで追い切りに騎乗した。
 「強い追い切りではなかったけど、おとなしくて乗りやすい。癖もなく、調教では特に気になるところもなかった。体調も良さそうだし、いい感触を持っていけそうですね」

 ――94年に初めて凱旋門賞に騎乗(ホワイトマズル6着)した。
 「鮮明に覚えています。凄い数の観衆で、歓声も凄かった。調教師との打ち合わせができなかったんです。今、思えば初めてだったし、よく分かっていなかった。ロンシャンのことも知らなさ過ぎた。あの当時はまだ日本でも凱旋門賞のこと、知らない方が多かったから。へぇーという感じでしたね、あの時は」

 ――あれから30年。
 「経験を積んだし、今は戸惑うこともない。機は熟した?熟し過ぎたぐらい(笑い)」

 ――国内外で充実した秋を迎える。
 「ドウデュースは国内専念が決まっているし、凱旋門賞のオファーも頂いた。ブリーダーズカップ(7戦無敗のオーサムリザルトで11月2日、BCディスタフに参戦予定)もある。BCも勝ったことがないし、明確な目標になっています。ケガと騎乗停止だけは気を付けたいですね」

 ――ビッグレースが続く。
 「最高のモチベーションでいけますね。今年55歳になったけど本当にありがたい。今年、初めて札幌リーディングにもなりましたから(笑い)」

 ――最後に意気込みを。
 「関係者の気持ちに応えたい。その思いが強いですね。チャンスがある馬ですから。本当に楽しみだし、ワクワクしています」

 ◇武 豊(たけ・ゆたか)1969年(昭44)3月15日生まれ、京都市出身の55歳。87年騎手デビュー。69勝で当時の新人最多勝記録を樹立。88年菊花賞(スーパークリーク)でG1初制覇。38年連続重賞V(継続中)、169週連続勝利など数々の記録を打ち立てた。今年5月12日に前人未到のJRA通算4500勝を達成。JRA通算2万4778戦4537勝、うちG1・81勝を含む重賞361勝。1メートル70、51キロ。血液型O。

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