【京成杯】キングノジョー出世街道へ!大器晩成型も能力通用
2025年1月14日 05:23 24年は出世レースとなった「第65回京成杯」が日曜中山11Rで行われる。昨年の優勝馬ダノンデサイルは後にダービーを、2着馬アーバンシックは菊花賞を制覇。今年もG1級の素質を感じさせる逸材が参戦する。24年度JRA賞調教師4部門のうち2部門を獲得した田中博康師(39)が送り出すキングノジョーだ。23年天皇賞・春を勝ったジャスティンパレスの半弟で、10月の新馬戦を圧勝。若きトップトレーナーにその見立てを聞いた。
「楠(クスノキ)分限、梅の木分限」という。成長は遅いが、やがて巨樹になるクスノキのような大器晩成タイプ。花が咲くのも実をつけるのも早いが、長続きしない梅のような早熟タイプ。キングノジョーは前者だ。「成長がかなり遅い。未熟です。気持ちのバランスも取れていない。まだ、まだ、まだ…」と田中博師は“まだ”3連発。「本格化するのは古馬になってからですよ」と晩成を強調する。その一方で、器の大きさも感じていた。
「ポテンシャルが高いので成熟度が低くても動ける。とても2歳秋にデビューできるような成熟度ではなかったが、動けちゃうので、とりあえず入厩させて新馬に下ろした。そのデビュー戦には計り知れない可能性を感じました」
確信したのは単勝1・3倍の支持を受けた10月の東京新馬戦。楽に逃げられるスタートセンスとスピードを持ちながら鞍上・ルメールはあえて馬群の中で我慢させ、ノーステッキで2馬身半突き抜けた。「無理なく前に行って勝つこともできたが、ルメールさんはそうしなかった。先を見据えて大事に乗ってくれた」と同師。ルメールも「凄くいいね。素晴らしい瞬発力。これからが楽しみになった」と素質にぞっこんだ。
血は争えないという。半兄ジャスティンパレスも大器晩成型。「2歳時はまだ頼りなかった。精神的にも幼かったけど能力だけで好走してくれた(2連勝後、ホープフルS2着)。体重も増えてガラッと変わったのは古馬になってから」。兄を担当する池水助手は栗東でこう語っている。4歳春の天皇賞でG1初制覇。その馬体重はデビュー戦から28キロも増えていた。
クスノキ型の血は弟にも流れている。「現状でどこまでやれるかは何とも言えませんが、先々は必ず走ってくると思います。本当に良くなるのは古馬になってからだと言いましたが、ここでいい勝負ができれば今春も楽しみになってきます」と田中博師は締めくくった。ターフに根を張る楠兄弟。今年のクラシック戦線は弟から目が離せない。