【プロキオンS】サンデーファンデー重賞初V! 定年間近の音無師ラストG1へ弾み

2025年1月27日 05:20

<プロキオンS>後続を振り切り勝利するサンデーファンデー(右)(撮影・亀井 直樹)

 定年が迫る名伯楽に感謝の気持ちを込めた勝利だった。サンデーファンデーを重賞初Vに導いた鮫島駿が検量室前に戻ると「シャーッ!」と歓喜の声を上げ、3月4日に引退となる音無師に抱きついた。「良かったです。昨年から音無先生にたくさんの管理馬を任せていただいて、チャンスを生かせました」と笑みがこぼれた。

 決意に満ちた積極策だった。鞍上が「絶対行こうと思っていました。どの馬が来ても主張する構えでした」と言う通り、最内枠から促してハナを奪う。リズム重視でラップを刻み、3角過ぎからエンジンを噴かせていく。直線で右ステッキを入れると、もうひと伸び。そこから強烈な末脚で迫ってきたのが1番人気の僚馬サンライズジパングだった。「自分が昨年(みやこS1着)乗せてもらって強い馬だと分かっていましたし、何とか振り切ってくれ、という思いでした」と懸命に相棒を鼓舞し、頭差しのいでみせた。

 昨年12月のベテルギウスSに続く連勝。オープン入り後に2桁着順が続き、苦戦する時期もあったが5歳になり、いよいよ本格化を思わせる充実ぶりだ。鮫島駿は「ハイペースで行ってもバテないスタミナを感じます」とうなずき、見届けた音無師は「稽古でも(併せ馬で)遅れていたし、つかみづらいところもあるんですが、レース向きのタイプですね」と目を細めた。

 音無師はこれでJRA重賞90勝。JRA通算994勝とし、1000勝の大台を視界に捉えている。「(僚馬の)ジパングも勝たせてあげたかった。同着が良かったかな」とワンツーに照れ笑いしながら「あと1カ月しかないから欲張らず、最後までやりたい」と気持ちを新たにした。この勝利でフェブラリーS(2月23日、東京)の優先出走権を得て、次走については「まだ決定していない」としながらもラストJRA・G1を視野に入れているだろう。トレーナーとして最後まで管理馬と真摯(しんし)に向き合い、きっちり仕上げていく。

 ◆サンデーファンデー 父スズカコーズウェイ 母ファーストレディ(母の父スマートボーイ)20年5月12日生まれ 牡5歳 栗東・音無厩舎所属 馬主・吉澤ホールディングス 生産者・北海道新ひだか町のグランド牧場 戦績19戦6勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億5743万9000円 馬名の由来は楽しい日曜日。

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2025年1月27日のニュース