【スプリングS】開業3年目・緒方師 ニホンピロデヴィンで悲願の重賞制覇へ!

2025年3月14日 05:30

ニホンピロデヴィンで初重賞制覇に挑む緒方努調教師

 皐月賞トライアル「第74回スプリングS」(3着までに優先出走権)の出走馬が13日、確定した。あすなろ賞2着のニホンピロデヴィンを送り込む緒方努師(46)は開業3年目の若きトレーナー。人馬ともに重賞初制覇をつかみ、クラシックの舞台を目指す。

 開業3年目の緒方師がニホンピロデヴィンで重賞初制覇を目指す。重賞挑戦は23年プロキオンS(ロイヤルパールス15着)、24年アンタレスS(リキサントライ16着)に続く3度目になるが、気負いはない。「こればかりは(馬との)巡り合わせだと思っています。人間が焦っても仕方がない。いつも通り自然体で挑みたいです」と淡々と語った。

 昨年12月の新馬戦からずっと在厩で調整を進めてきたニホンピロデヴィンは3戦目、冬の小倉開催で初勝利を飾った。前走あすなろ賞は持ち前のスピードでハナを奪うと、直線は後続を突き放して逃げ切り態勢。最後は惜しくも勝ち馬の決め手に屈したが7番人気2着で見せ場をつくった。「デビュー前から、いい素質を持っているのは分かっていました。調教を積み、だいぶ筋肉がついたことで能力を発揮できるようになった。少しずつ馬体重が増えて、成長を感じています」と前向きな言葉を並べる。

 ここ2走で騎乗している小沢は23年4月9日の未勝利戦(タマモマスラオ)で緒方師に初勝利を届けた、記念すべき騎手。トレーナーは「彼とは普段から馬のことで、いろいろ相談などをしたり(お互いのことを)理解し合える間柄。信頼関係ができていて、頼もしい存在です。その彼と重賞に臨めるのは素直にうれしい」と心境を明かした。

 今年は重賞勝ち馬不在で混戦ムードが漂う。「レースセンスの良さがセールスポイント。逃げても、控えても展開に応じて自在に立ち回れる。(本番の)権利はもちろん、勝ち負けまで期待しています」。同馬を生産した友田牧場は先週の弥生賞ディープインパクト記念をファウストラーゼンで制した。牧場の勢いも味方に初のタイトルを狙う。

 ◇緒方 努(おがた・つとむ)1978年(昭53)12月22日生まれ、福岡県出身の46歳。05年から松田国厩舎に所属。13年から作田厩舎、飯田雄厩舎でキャリアを積み、22年に調教師免許を取得した。翌年3月に厩舎を開業。JRA通算457戦14勝(13日現在)。

 《前走1勝クラス組活躍》近年のスプリングSは前走1勝クラス組が活躍。過去10年で同組は【7・6・3・34】の成績。そのうち前走で2~4着に敗れていた馬も1勝、2着2回、3着1回と4頭が馬券に絡み、本番への優先出走権を手にした。また、あすなろ賞組も16年マウントロブソンが1着、18年エポカドーロが2着に好走。あすなろ賞2着のニホンピロデヴィンもチャンスは十分ある。

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