【毎日杯】ファンダム圧巻デビュー3連勝!辻師&サートゥルナーリア産駒も重賞初V 春のG1活躍期待
2025年3月30日 05:20 3歳重賞「第72回毎日杯」が29日、阪神競馬場で行われ、2番人気ファンダムが後方一気で差し切り、デビューから3連勝で重賞初制覇を飾った。現3歳世代が初年度のサートゥルナーリア産駒は重賞初V。鞍上の北村宏司(44)は23年阪神JF(アスコリピチェーノ)以来の重賞制覇、管理する辻哲英師(45)にとってはJRA重賞挑戦8度目で初制覇となった。
大外ズドン。直線に入った時点で先頭から6馬身ほど離れた最後方にいたファンダムが異次元の末脚で他馬を差し切り、無傷の3連勝で重賞初Vのゴールを駆け抜けた。デビューから主戦を務める北村宏は「冷静に走ってくれたので自信を持って直線に向きました。いいところではあるけど、少し前向きな面があるので、セーブしながら走れるように課題を持ちながら。凄くいい内容で走ってくれた」と満足げに振り返った。
新馬戦、ジュニアCと連勝した先行策から一転。控える競馬に徹した。陣営の思惑通り、道中は馬群でしっかり我慢を利かせて直線へ。上がり3F最速32秒5の鬼脚で突き抜け、着差以上のインパクトを残した。
21年に厩舎を開業した辻師、現3歳世代が初年度産駒の父サートゥルナーリアにとって、ダブルでうれしいJRA重賞初制覇。鞍上は「厩舎の初めての部分に貢献できたのはうれしい。サートゥルナーリアの子供はいい素材の馬が多い印象で、この馬を含めて期待している」と笑みを浮かべた。検量室前で多くの人から祝福を受けた辻師は「いつも通り、目の前のレースに向けてやってきたことが、たまたま重賞だっただけです。ただ、能力のある馬、重賞を勝てる馬に巡り合えたことは幸せ」と喜んだ。
デビュー前から素質の高さは評判だったが体質が弱く、レース間隔を空けて大事に育てている。まだ課題は残るが、先を見据えた一戦で素質馬を完封した。指揮官は「心肺機能が高く、持っている能力は間違いないけど、疲れがたまりやすいタイプ。今後、そのあたりが強化してくれば、もっと良くなると思います」と期待を寄せた。次戦はマイル路線か、クラシックか。具体的なレースは未定ながら、春のG1舞台に向け、楽しみが広がる重賞Vになった。
◆ファンダム 父サートゥルナーリア 母ファナティック(母の父ジャスタウェイ)22年2月13日生まれ 牡3歳 美浦・辻厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道白老町の社台コーポレーション白老ファーム 戦績3戦3勝(重賞初勝利) 総獲得賞金6887万2000円 馬名の由来は熱狂的なファン、その大規模なコミュニティ、母名より連想。