セレクトセール大盛況 世界中から愛され活躍したイクイノックス

2025年7月18日 05:15

ドバイシーマクラシックを制したイクイノックスとルメール(撮影・平松 さとし)

 【競馬人生劇場・平松さとし】

 14、15日に北海道苫小牧市にあるノーザンホースパークで行われたセレクトセール2025。世の中の不況が信じられないくらい大盛況のうちに幕を閉じたが、その一役を担っていたのがイクイノックスの子供たちだ。

 2日目の当歳馬セールに初めて登場したイクイノックス産駒。次々と高値で売却されると、上場された24頭中23頭が落札。その平均価格はなんと1億5500万円という信じられない額となった。

 皆がイクイノックスの血を求めたわけだが、改めて彼の競走馬時代の活躍を振り返ると、さもありなんと納得できる。

 戦績は実に10戦8勝。本格化前の皐月賞(G1)と日本ダービー(G1)でそれぞれ2着惜敗したものの、他の8戦は負け知らず。特に3歳秋以降は天皇賞・秋、有馬記念、ドバイシーマクラシック、宝塚記念、天皇賞・秋、ジャパンCと、国内外を問わずG1の中のG1といえるレースを6連勝。ドバイへ遠征して勝利したドバイシーマクラシックでは、後に凱旋門賞(G1)でも2着に好走するウエストオーバーや、プリンスオブウェールズS(G1)と英インターナショナルS(G1)を連勝するモスターダフなどを相手にせず逃げ切った。2着ウエストオーバーにつけた差は3馬身半だったが、手綱を取ったルメール騎手は次のように語っていた。

 「楽勝だったので早めに抑えたからその差だったけど、最後まで追っていたら確実にもっと開いていたでしょう」

 また、イクイノックスが最後にジャパンCを優勝して引退する際には、同騎手の元に世界中から祝福の連絡が来たそうだ。

 「オリビエ(ペリエ騎手)ら仲の良い人はもちろん、アメリカのリーディングジョッキーであるイラッド・オルティスやスティーヴ・コーゼン元騎手からも“素晴らしい馬だったね”と連絡が来ました」

 ルメール騎手はそう言った。果たして今度はそのジュニアたちが世界に衝撃を与える日が来るだろうか。そんな予感をさせる今年のセレクトセールだった。(フリーライター)

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