【WASJ】初参戦ハマーハンセン“独走”優勝 第4戦目待たずに確定「夢かなった」
2025年8月25日 05:29 これがG1馬の強さ!サマースプリントシリーズ第5戦「第20回キーンランドC」は24日、札幌競馬場で争われ、古馬と初対戦の2番人気パンジャタワーが差し切りV。NHKマイルCを制して以来、3カ月ぶりの始動戦で力を示し、鞍上の松山弘平(35)は史上7人目(現役4人目)のJRA全10場重賞制覇を達成した。2日間の日程で開催された「2025ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)」は初出場のトール・ハマーハンセン(25=ドイツ)が計73点で優勝。「第45回新潟2歳S」は1番人気リアライズシリウスが大物感あふれる走りでデビュー2連勝を飾った。
初日を首位で折り返したトール・ハマーハンセンが第3戦(10R)で決めた。大会2勝目をマーク、獲得ポイント72点として2位に33点差をつけたことで第4戦(12R)を待たずに初参戦Vを達成。同シリーズのWAS選抜初優勝をけん引した。また、5位以内に入ったことでJRAの短期免許申請資格も獲得。来年以降、日本での騎乗が見られる可能性も出てきた。
わずか2日間で日本のファンに鮮烈な印象を残した。表彰台の真ん中に立ったハマーハンセンはクールな表情を保ったまま、トロフィーを頭上に掲げて初優勝をかみしめた。「夢がかないました。初めて日本に来て、騎乗して世界の騎手と日本のトップ騎手と戦う中で2勝で優勝できてうれしい。私にとっても大きなチャレンジで、日本に来ていろいろなことを学ぶことができた」と喜んだ。
積極的な運びで早々にタイトルをたぐり寄せた。2日目初戦となった第3戦(10R)で1番人気ベルギューンに騎乗。外2番手を確保すると、3角で強気に先頭へ。リードを広げて直線に向かい、2着に3馬身差をつけて完勝。鞍上は「元々、自分のスタイルが日本のスタイルと合っていた。ペースが速いのは自分も得意」と好成績の要因を分析した。
「日本も大好きですので、また日本に戻ってきて皆さまの前でレースをしたい」と“再来日”にも意欲を見せた気鋭の25歳。ファンも再び巧みな手綱さばきが見られることを心待ちにしている。
◇トール・ハマーハンセン 1999年10月17日生まれ、ドイツのケルン出身の25歳。元騎手の父レナート・ハマーハンセンの影響もあり、16年のデビュー直後から国外に出てフランス(A・ファーブル厩舎)や英国(R・ハノン厩舎)で経験を積んだ。23年に母国ドイツに拠点を移し、英国の国際騎手招待競走シャーガーカップにペリエ、デットーリとともに欧州選抜の一員として出場。24年は独ダービー(パラディウム)、バイエルン大賞(アシステント)とG1・2勝を挙げ、年間74勝で独リーディング獲得。今年もリーディング首位をキープしている。WASJ初出場。