【中京2歳S】スターアニス 新設G3初代王者へ躍動!高野師流「坂路2本」仕上げ

2025年8月28日 05:14

坂路で追い切るスターアニス(撮影・亀井直樹)

 中京ラストを飾るのは「中京2歳S」。昨年までの小倉2歳Sに替わり、今年から新設された2歳G3の注目は、11年小倉2歳S優勝のエピセアロームを母に持つスターアニスだ。

 デビュー間もない2歳馬でも意欲的な坂路2本乗りで仕上げた。スターアニスは1本目を4F73秒6でゆったり駆け上がると、2本目で追い切り。コーナーを回って直線に向くとギアが瞬時に切り替わった。急勾配のラスト1Fは力強いアクションで11秒9の好時計をマーク(全体時計は4F53秒9)。高野師は「時計を気にすることなく、うちの厩舎が思い描いている調整ができた。全く無理をせず、11秒台で上がってきたのは能力の高さに加えて、調子の良さだと思います」と満面の笑みを浮かべた。

 夏の小倉開幕週の芝1200メートルでデビュー。初戦は出脚がつかず、後方から追い込んで5着。中1週で臨んだ2戦目で一変した。好位からメンバー最速の上がり(3F34秒7)で後続を7馬身突き放す圧勝。勝ち時計1分8秒0は前週の北九州記念と比べても0秒2遅いだけの好タイムだった。指揮官は「元々いい馬だと思っていたが、初戦を経験したことでガラッと変わってくれた」と振り返る。

 前走後は栗東近郊のノーザンファームしがらきへ放牧。「前走で減っていた馬体(12キロ減)は回復して戻ってきた」と順調ぶりをアピール。初めての1400メートル戦については「実戦でも調教でも、がむしゃらに走る面がない。1F延長はむしろプラス」と歓迎した。

 母エピセアロームは当レースの前身となった11年小倉2歳Sの覇者。厩舎の先輩でもある半兄バルサムノートもオープンの短距離路線で活躍している。まずは母と同じキャリア3戦目で2歳重賞のタイトルを狙う。「牝馬には一つでも勲章を獲らせてあげたいと思っている。早い時期からそのチャンスが巡ってきたし、モノにしたい」と力を込めた。今年、新設された重賞の初代覇者に名乗りを上げる。

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